都立多摩vs獨協
都立多摩が壮絶な打撃戦を制し、代表決定戦進出!
主将としてチームを引っ張る久保(都立多摩)
3月18日、春季東京大会一次予選が開幕。都大会を目指した熱戦が各地で繰り広げられた。[stadium]江戸川区球場[/stadium]で行われた都立多摩vs獨協の試合は激戦となった。
部員9人に満たない都立多摩。今年は都立日野から部員を派遣してもらい、大会に出場をしている。都立多摩が最も強化してきたのが「打撃」。そのストロングポイントを発揮された試合となった。
1回表、都立多摩は二死一、三塁から5番山本の左前適時打で1点を先制する。さらに2回表にも敵失の間に1点を追加し、3回表にも一死二塁のチャンスから7番中川海の中前適時打で3対0とする。
「最初は先制しても、落ち着きませんでしたが、序盤から点をとってだんだん落ち着いて試合運びができるようになりました」と主将の久保佑大が語るように、3回表、都立多摩打線が爆発。
一死一、二塁から7番中川の適時打で1点を追加すると、9番山下が左翼線を破る適時二塁打、1番久保の犠飛、2番山崎の内野安打、3番小池の左越え適時二塁打も飛び出し、8対0と大きく点差を広げ、試合の主導権を握る。
だが獨協も、5番山田の適時二塁打や押し出しなどで3点、さらに4回裏にも山田の適時三塁打などで3点を返し、8対6と一時2点差に迫るが、5回表、都立多摩の打撃の勢いは衰えず、打者10人の攻めで、一挙9点。これで、17対6と、5回コールド勝ちが近づいたと思われたが、5回裏、獨協も、打者13人の攻めで、一気に7点を返して、17対13と乱打戦に。
大量点を喫した都立多摩だが、6回表も、打者12人の攻め、7得点を入れ、7回表にもさらに点を追加。なんと23安打25得点の猛攻、都立多摩が壮絶な打撃戦を制し、代表決定戦へ駒を進めた。
率いる清水剛史監督は「本当によく打ちました」と選手をたたえた。都立多摩は練習時間の5割以上は打撃練習の時間に充てて、打ち込みを重ねてきた。清水監督が求めていたのは「量」ではなく、「質」だ。「量にこだわると、集中力がなくなってしまうので、短い時間でもいいので、1本1本をしっかりと振ること。打ち返すことにこだわりました」
さらに筋力トレーニングもしっかりと行って、パワーアップに努めてきた。今年は打撃戦を制する試合が多く、1週間前の練習試合では9回まで0対9で負けていたが、9回表に10点をとって逆転勝利した。「ある程度、点を取られることは仕方ない」と清水監督が割り切っているように、自分たちの戦いを熟知している。
翌日の代表決定戦へ向けて、主将の久保は「相手のミスで点を取らせてもらった部分があるので、1球1球を大事に戦っていきたいです」と意気込みを語った。
(取材・写真=河嶋 宗一)
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