北宇和vs南宇和
河野凌投手(北宇和)
北宇和、後半集中打で27年ぶり夏ベスト8!
最速143キロ、愛媛県内屈指のスピードボールを持つ右腕・上田晃平(3年)を擁し、30年ぶりの愛媛代表を目指す南宇和。
この試合でもその滑り出しは順調であった。先制点こそ許したものの、2回裏に7番・若本祐一の内野ゴロですぐに同点に追いつくと、4回には1死2塁から6番上田のショートゴロがエラーを誘い勝ち越し。上田も6回まで94球とやや投球数こそ多いものの、最速139キロを計測した直球を主体に5奪三振をマークするなど、中盤までは順調な投球を見せていた。
しかし、吉田茂雄監督率いる北宇和はそれでも全く慌てたそぶりを見せることはなかった。
なぜなら、南宇和とは同じ宇和島地区の近隣地に位置し「練習試合もやっていてよく知っていた」(森藤太陽主将)北宇和にとって、この展開は十分織り込みだったからである。
そして「始めから継投することは決めていた」(吉田監督)山口真(2年)の先発、5回から河野凌(3年)の投手リレーで最少得点差に抑えていた北宇和の努力は、終盤一気に実を結ぶ。7回表「力んでしまった」上田の制球難から3四球で1死満塁のチャンスをつかむと「1打席目から真っすぐを全部狙っていた」9番・河添雅彦がセンターにはじき返して2者を迎え入れ再逆転。雅彦の兄、1番・河添翔(3年)も連続タイムリーで続き、続く8回にも1点、9回には河添翔のこの日4打数4安打となるタイムリーなどで2点を加えて試合を決めた。
北宇和のベスト8は昭和58年(1983年)の第65回大会以来、実に27年ぶり8回目の快挙。準々決勝の相手は強敵の済美であるが、この日成し遂げた快心の勝利で「今年は打撃力があって投手もそろっていたので、ある程度やれると思っていたが、この試合で頂点を狙うことが意識できるようになってきた」吉田監督と選手たちの夢はふくらむばかりだ。
(文=寺下 友徳)
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北宇和 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 2 | 7 | ||||||
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南宇和 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
北宇和:山口真、河野凌-宮崎将大
南宇和:上田晃平、宮下昂輝-谷口進一