個性的なフォームを認める努力と見出す見識を ノールック投法で活躍した岡島秀樹の提言【後編】
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「八月は夜のバッティングセンターで。」
オリジナリティを出すならば人と同じことをやっていてはだめ

岡島秀樹さん
プロ野球は高い技術を競いの中に、緻密な駆け引きが加わる。毎年結果を残すことは並大抵なことではない。岡島氏も引退まで試行錯誤の日々だった。そこで最も大事にしてきたのがキャッチボールだ。
「MLBの場合、毎日投球練習はできませんので、キャッチボールで状態を確かめることが大事になります。自分の場合はフォーム上、遠投は必要ではなかったんです。
キャッチボールでフォームチェック、ボールの質の確認を行いました。特に変化球は高い位置から低めに投げる練習は行いました。変化球の場合はワンバウンドでもいいので、角度をつけて投げる。そういう練習をしたからこそ、腕を振れる要素になります。キャッチボールの中で、自分に合った方法を見つけていました」
キャッチボールは基本中の基本。だからこそオリジナリティをもたせることが大事だと語る。
「人と違う投げ方になるからこそ、同じ練習をしていてもだめなので、遠投より上から遠投を必要としている人もいるので、自分から見つけることが大事でしょうね」
投球フォームは意図して自分が描くフォームになったというより、自然となった投球フォームが多い。たまにプロ野球選手の少年野球時代の映像や写真で見ると、一連の流れは大きく変わっていないことに気づく。岡島氏の場合、他の人と比べ、特異な投球フォームだった。そのフォームを認めてもらえるにも、結果を残すことを考えてきた。
「周囲が納得するための結果を残すためには、人と同じ練習をやってはいけないと思うんです。結果を結びつけるための練習を行って、結果を出す。最初は反対していた人も、結果を出すことで認めてくれるんです」
口だけではなく、個性としてしっかりと認めてもらうためには並大抵の努力では到達できない。プロに入ってから、自分の投球フォームを1つの個性として認めてもらえるか。プロ入りから現役引退するまで試行錯誤してきた岡島氏が語るからこそ説得力がある。
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個性的な投球フォームを認める見識を

岡島秀樹さん
また岡島氏は指導者側にも個性的な投球フォームを尊重する姿勢を持ってほしいと願った。岡島氏も、高校時代まではノールック投法について言及されることはなく、個性を認めてもらったからこそ、プロの扉を切り開くことができたのだ。
「型を求めるのは大事ですが、型にはめすぎてしまって、個性を潰してしまうリスクも頭に入れていただきたいかなと思っています。人それぞれ個性があって、よほど故障のリスクが高くないフォームならば、尊重すべきかなと思います。個性的に見えても実は理にかなっているフォームというのは大いにあります。だから尊重しようという考えは持ってほしいかなと考えています」
全員を同じ型にはめてしまうリスクとして、MLBを経験した岡島氏ならではの意見があった。
「特に国際試合だと、全員が同じ投球フォーム、流れだと、捉えられやすい・打たれやすいリスクがあるんですよね。MLBの場合だと、独特の投球フォームをした投手は多く、打者にもいろんなフォームをした選手がいるんですよね。そういった個性を理解しチームを作ることも大事だと考えていますし、我々の年代からそういうのを大事にしていかなければならないと思っています」
最後に高校球児へメッセージをいただいた。
「やはり仲間たちを大事にしてほしいですよね。社会に出て、野球を続ける選手も少ないですし、高校3年間で、一緒に戦い抜く仲間と一緒に野球生活を楽しんでほしいと思います」
最後まで柔和な表情で、メッセージを送った岡島氏。自分の個性をどうアピールするのか、そしてどう結果を残すのか、オリジナリティをどう生み出すのか。そして選手のスタイルを認め、大事にする見識を持つこと。それこそレジェンドになる一歩となる。
水ドラ25「八月は夜のバッティングセンターで。」
毎週水深夜1:10-1:40(ほか) テレビ東京ほか
Paravi、ひかりTV、dTV、Amazon Prime Video にて配信中
(記事=河嶋 宗一)
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