2025年はセットアッパーとして登板機会が増えるであろう巨人・大勢投手(西脇工出身)。これまではクローザーとしての登板だっただけに今季はどんな成績を残すのか。ファンとしては少し楽しみなところ。その多くのファンの中の1人が、大勢が中学時代にプレーしていた氷上ボーイズで指揮を執っている足立 克也監督だった。

実際に、氷上ボーイズの大勢投手がプレーする姿を見ていたとのことで、現在の活躍している姿に「感慨深いです」と語る様子は、どこか嬉しそうにしていた。

またセンバツでも、OB・木下 鷹大投手が東洋大姫路のメンバーとして出場。2回戦・広島商戦で先発起用されるなど、確かな活躍を見せた。

「2、3年おきくらいに甲子園に出てくれているので、ありがたいです」と教え子たちに感謝の思いを伝える足立監督が率いる氷上ボーイズは丹波市を拠点としているチーム。市内では唯一の中学硬式チームになっているが、最も特徴的なのが食育へのこだわりだ。

選手はもちろん、保護者に対してセミナーを通じて体づくりをしっかりとやる意識を作ること。さらには「試合前にはどんな食事を摂れば、力が発揮できるのか」といったような、少し踏み込んだ内容まで、スポーツジムで働く方を呼んで指導してもらっているという。なので、「(3年間で)選手たちはたくましく成長してくれます」と足立監督も選手たちの成長する姿に、セミナー開催の手ごたえを感じているようだ。

もちろん、食事以外の部分でも体づくりに対して高い意識を持っている。特にケガに対する意識は高く、「しっかり柔軟、特に股関節周りのストレッチは普段の練習から必ずやるように口うるさく指導しています」と強いこだわりを持っている。

「いろんなところで見たり、聞いたりしていますが、特に股関節が固いと、あらゆるケガに繋がってしまうと聞きました。なので、しっかりやるように意識をしています」

氷上ボーイズに限らず、もっといえば中学野球関係なく、どの年代であっても柔軟性の重要性はとても高い。地道な取り組みだが、先述した大勢や木下といった上のステージで活躍するOBたちも、同じような道を歩んできた。だから「現役の選手たちからすれば、本当に頑張る源になります」と先輩たちの活躍する姿を糧に、選手たちは日々練習に打ち込んでいるそうだ。

そんな氷上ボーイズだが、4月中旬に出場したのじぎく大会から、アシックスの新作スパイク・NEOCONNECT(ネオコネクト)をチームの取り組みとして使う予定だという。

アシックスとアドバイザリースタッフ契約を結んでいる、阪神・近本光司外野手(出身)が開発に携わった一足で、金具歯と樹脂スタッドの両方が使われたハイブリッドソールが大きな特徴となっている。

前足部分に金具歯4本を配置することでパフォーマンスに対するサポートをしながら、かかと部分は樹脂スタッド4本を配置することで、足への衝撃を緩衝させた。実際、「弾力性がある」というような樹脂スタッドならではの柔らかい接地感覚に驚いている選手もいれば、「軽くて一歩目が出しやすい」というプレー面での大きな違いを感じている選手もいた。

足立監督も選手たちの様子を見ていて「足にフィットして、なおかつ軽いのでパフォーマンス向上に繋がってくるのではないでしょうか」と期待をしている様子。

特に2024年から新基準バットが導入されたことで、「走れることも、これまで以上に1つ大きな武器になった」と足立監督は感じていた。だからこそ「こういったスパイクを使うことも、もしかすると1つのポイントになるかもしれません」と語った。

今年は春の全国大会を目指したが、その目標を達成できず。悔しい結果に終わったように思われるが、「もう一度選手同士でミーティングをして、夏の全国大会を目指すということなので、気持ち新たに頑張っています」と心機一転で練習に打ち込んでいるようだ。

特に今年は「元気があって、雰囲気がいい」と主将である谷川羽空内野手を中心にチームのムードは悪くないようだ。

谷川主将も「チームの団結力や練習への取り組む姿勢は一冬過ごして、凄く良くなってきた」と手ごたえを感じていた。

もちろん戦術面についても「守備はかなりエラーを減らせるようになった」と語り、守備からリズムを作ることで、試合の主導権を握るような戦い方が出来れば、勝機はあると感じている。あとはバッティングをどこまで成長させることが出来るかだ。

夏の全国大会出場へ。谷川主将は、「優勝を目指して投手中心に戦いたい」と意気込みを語った。先輩たちの活躍に負けじと、氷上ボーイズが結果を残すことが出来るか。今後の戦いも注目したい。

<のじぎく大会連載企画はこちら>
神戸ボーイズ:17年ぶりの全国をきっかけに「次のステージを目指せるように」 U-18代表なども過ごした神戸ボーイズが徹底する大人の接し方
兵庫神戸ボーイズ:「うちは勝利主義ではない」のに関係者から驚きの声が続出...兵庫神戸ボーイズが徹底する選手ファーストの取り組みの数々
氷上ボーイズ:巨人・大勢の活躍に「感慨深い」 徹底した体づくりをする氷上ボーイズが取り組む新たな試み
小野ボーイズ:部員数減少に「難しいと思う瞬間が」 選手獲得へ、小野ボーイズの大会にかける思い
播磨ボーイズ:期待の高卒2年目の若鷲を輩出 播磨ボーイズが貫く「目的をもってやる」こと
神戸甲南ボーイズ:「いい野球人生だった」で引退出来るように 全国出場実績を持つ神戸甲南ボーイズが取り組む育成法