【センバツ21世紀枠】各都道府県大会で優勝して選ばれた”実力校”も、2011年以降勝利なし
来年3月18日に開幕するセンバツ(第96回選抜高校野球大会)に出場する32校は、来年1月26日に発表される。今回は21世紀枠が従来の3枠から2枠となり、地域性はまったく加味されない形で選出されることが決まっている。制度がスタートして24回目の来年、21世紀枠出場校はどんな活躍を見せてくれるのか。
これまで21世紀枠で出場したのは、大会中止となった2020年を含めて64校。センバツでの最高成績は、2001年の宜野座(沖縄)と、2009年の利府(宮城)のベスト4で、ともに3勝を挙げて準決勝まで駒を進めた。利府は習志野(千葉)早稲田実業(東京)といった名門を破っての快進撃でもあった。
この2チームは前年の沖縄、宮城の秋季大会でそれぞれ優勝している。地区大会でも宜野座は8強、利府は4強にもなっている。一般枠で選出される可能性もあるほどの成績を収めていたことになる。
成績だけでなく、文武両道や困難を克服する高校が優先して選出されるとはいえ、前年の都道府県秋季大会で優勝して21世紀枠出場をつかんだのは13校あり、そのうち初戦を突破したのは5校。準優勝を含めると37校で、初戦突破は11校となる。全体の初戦突破が14校(2020年の甲子園交流戦は除く)しかないことを考えれば、都道府県で決勝に進まないと甲子園では成績を残すことは難しいと言えそうだ。
これを年代別に区切ってみると、近年は勝てなくなってきているのが分かる。2001年からの10年で初戦突破は9校だが、2011年からの10年では4校で、2021年からの3年間ではわずか1校となっている。おまけに2011年以降の5校中、3校は21世紀枠同士の対戦の結果。2015年に松山東(愛媛)が二松学舎大附(東京)に勝って以来、2016年から21世紀枠出場校が一般枠校に勝利できず、20校が初戦敗退を続けている。
前年の都道府県秋季大会で優勝したチームも、2011年以降に7校出場しているが、初戦突破は2011年の城南(徳島)のみ。その7校中、6校は前年の秋季地区大会でも勝利できていない。全国のみならず、地区大会のレベルでも、年々その差は開いているのかもしれない。
今年、各都道府県の21世紀枠推薦を受けた高校のなかで、秋季大会で優勝したのは大手前高松(香川)の1校で、準優勝は光南(福島)明和県央(群馬)富山北部(富山)田辺(和歌山)岡山城東(岡山)の5校。12月8日の地区推薦校発表が注目される。
前年の都道府県秋季大会で優勝した21世紀枠出場校のセンバツでの成績は以下の通り。(センバツ開催年度。カッコ内は前年秋季地区大会成績)
2001年 宜野座(沖縄)3勝=ベスト4(九州8強)
2003年 隠岐(島根)初戦敗退(中国初戦敗退)
2006年 金沢桜丘(石川)初戦敗退(北信越4強)
2007年 都城泉ヶ丘(宮崎)1勝=2回戦敗退(九州8強)
2008年 華陵(山口)1勝=3回戦敗退(中国4強)
2009年 利府(宮城)3勝=ベスト4(東北4強)
2011年 大館鳳鳴(秋田)初戦敗退(東北初戦敗退)
2011年 城南(徳島)1勝=2回戦敗退(四国初戦敗退)
2013年 益田翔陽(島根)初戦敗退(中国初戦敗退)
2016年 小豆島(香川)初戦敗退(四国初戦敗退)
2017年 多治見(岐阜)初戦敗退(東海初戦敗退)
2017年 中村(高知)初戦敗退(四国初戦敗退)
2023年 氷見(富山)初戦敗退(北信越8強)