東京vs都立墨田工
中断明けに追いついた墨田工だったが、東京が再度突き放す
東京・河瀬康太君
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<第104回全国高校野球選手権東東京:東京6-2墨田工>◇17日◇3回戦◇江戸川区
墨田工は初戦で昭和鉄道に9対0、7回コールドゲームで快勝しての進出。東京は広尾に10対5で勝利しての3回戦進出である。墨田工は、昨秋も今春のブロック予選を突破できなかったが、そこからの立て直しだった。東京は、春季都大会に進出は果たしていたが、初戦で東海大高輪台に5回コールドゲームで屈しただけに、やはり夏にかける思いは強い。そんな両チームである。
前半は投手戦の展開。墨田工は左の変則タイプの有村で、柔らかい上半身を生かした独特のフォームで、最初はちょっとタイミングが合わせづらいのではないかと思わせる。それに、一塁に走者が出たら、投げる瞬間にフッと一塁走者に目を向ける仕草があり、これで一塁走者が一塁へ戻ってしまうというケースも何度も見受けられた。癖をつかんで慣れるまでは、かなり厄介かなというタイプではあろう。対する東京の中野は、オーソドックスに上手投げで投げ込んできて、上手に打たせて処理していた。
東京が3回に、内野安打と2つの失策でチャンスを作り、3番に入っていた高松が中前打して2点を先制する。そして、4回の攻撃が終わったところで雨が降り出したと思ったら、あっという間にグラウンドが水浸しとなり、結局1時間15分弱の中断の後に再開ということになった。本当に、今年の天候は、突然降り出したかと思うとあっという間に大雨という現象が、全国で起きている。
中断明けの5回裏、墨田工はこの回から岡野をマウンドに送る。東京は1番からの好打順だったが、2四球を得たものの攻略しきれず無得点。
そして6回、1死一塁に安打の燕を置いて、3番国分が三塁打で1点差。さらに椎橋の犠飛で同点とした。中断後の流れを墨田工が引き寄せたかに見えた。しかし、その裏、東京は四球と暴投で無死三塁とチャンスを貰い、7番嘉川の犠飛でリードを奪う。さらに7回、代打で途中から入っていた原の適時打と2死一、二塁から同じく代打で出てそのまま守りに入っていた高橋周摩が右中間へ三塁打して決定的ともいえる3点をこの回に挙げた。
墨田工の中島豊雄監督は、「中断は、悪い流れを断ち切るにはちよぅどいいかなと思っていました。事実そうなったんですけれども、追いついてから、投手が持ちこたえきれなかったですね。今の3年生たちは、コロナの影響で練習の絶対量が足りていないので非常に気の毒なんですが、それでもよくやってくれたと思います」とねぎらっていた。
東京の松下浩志監督は、「ここ1週間くらいはずっと天気が良くないので、中断もあるということはもちろん想定内でした。その中で、選手たちもリラックスしながらも緊張は切らさないでいたんだと思います。今日は、ブラスバンドの応援も入ってくれて、とてもありがたかったし、選手たちにも勇気になったと思います」と、学校や周囲にも感謝していた。
7回に外野からリリーフして3イニングを0に抑えた河瀬は、「自分としては4番打者として、もう一つ打てていなかったので、焦りはありました。7回の同点も、自分の外野手としての判断がよくなかったと思っていました。それを引きずって、マウンドでも、ちょっと良くなかったかと思います」と反省していたが、それでも無失点に抑えられたのは、やはり力があるということの証明でもあろうか。
(取材=手束 仁)