健大高崎の優勝で幕を閉じた春季関東大会は2年生の活躍が光った大会だった。この大会で、来年の関東を代表するBIG3、そしてそれに続く有力の選手も見えた。逸材たちの活躍を振り返っていきたい。
横浜・織田、池田、山梨学院の菰田が来年の関東BIG3
横浜の152キロ右腕・織田 翔希投手は試行錯誤しながらも、浦和学院戦で8回2失点の力投を見せた。三振は狙わず、平均球速144.21キロの速球(最速150キロ)、スライダー、チェンジアップ、カーブのコンビネーションで打たせて取る投球が光った。昨秋とセンバツで快投を見せて以降、徹底マークされるようになり、以前ほどの無双感溢れる投球内容ではない。それでも以前より平均球速は高まっており、ネット裏から見ても突き刺すような球筋は健在だ。今後はどのようにパワーアップするか楽しみだ。
センバツで織田と同様152キロをマークした山梨学院・菰田 陽生投手は織田以上の快投だった。叡明戦では3.2回を投げて、11奪三振。奪ったアウトはすべて三振という衝撃的な内容だった。健大高崎戦でも3回を無失点に抑えた。193センチの長身から繰り出す常時140キロ中盤(最速149キロ)のストレートは角度があって伸びもある。このままいけば、来年のドラフト1位候補に挙がる存在だ。今はストレートだけでも圧倒できているが、徹底マークをされると思い通りの投球ができない時期が来る。それを乗り越える投球術を披露できるか。
二刀流としても注目される菰田だが、打撃面では15打数3安打6三振とコンタクト力に課題を残す結果になった。スイング自体は鋭いが、スイングの瞬間にボールが見えにくい形となっているのか、空振りを繰り返したり、コーナーギリギリを見逃している事が多い。この癖を克服するのはかなり時間を要するが、解消すれば、コンタクトで長打を連発できるかもしれない。
現時点では投手として飛躍できる可能性を感じる、
横浜のショート・池田 聖摩内野手は来年のドラフトを意識できる選手に成長した。守備では基本に忠実にボールを処理して、三遊間の深い位置からアウトにできる。強肩は一級品だ。打撃面は7打数2安打に終わったが、当て勘は悪くない。広角に打ち分けるセンスもある。関東大会では投手としての可能性も感じた。フォームのバランスがよく、常時140キロ〜145キロ前後の速球、スライダー、カーブの精度も高く、コントロールも良い。何より肩の出来上がりの早さが秀逸だ。イニング途中で、ブルペンで投球練習をしなくても、すぐに140キロ台の速球を投げられる。高校時代の根尾昂投手(大阪桐蔭-中日)を思い出す選手で、根尾は打撃面でコンタクト力、ショートの動きの硬さが解消できず、投手に転向となったが、池田は攻守の精度の高さは根尾以上だが、ややパンチ力不足なところがある。捉える打球に強さが出るか。それでも高校レベルでここまで万能な選手はいない。この世代を代表する選手であることは間違いない。
織田、菰田、池田の3人は「関東BIG3」として今後も要注目だ。