今シーズン、巨人(NPB)からオリオールズ(MLB)へ戦いの場を移した菅野 智之投手(東海大相模)が、きっちりと結果を残している。
開幕からおよそ2ヶ月が経過した5月28日(日本時間)の時点で11試合に先発し、64回を投げてチームトップタイの4勝(3敗)、防御率3.23。オリオールズ投手陣の中でもっともイニングを稼いでおり、QS(6回自責点3点以下)もチームトップで、先発ローテーションの柱となった。チームは現在、ア・リーグ東地区で最下位と低調の中で欠かせない存在となっている。
そんな菅野は現在35歳で、今年10月に36歳となる。大谷 翔平選手(花巻東)や佐々木 朗希投手(大船渡)といった20代前半での渡米は例外としても、20代で移籍する選手が多い中、35歳でMLBに移籍するのは珍しい。しかも先発投手としては、ほとんど例がない。
35歳以上で海をわたった日本人投手は、高橋 建氏(広島→メッツ/横浜)、桑田 真澄(巨人→パイレーツ/PL学園)、小宮山 悟(横浜→メッツ/芝浦工大柏)、藪 恵壹(阪神→アスレチックス/新宮)、斎藤 隆(横浜→ドジャース/東北)、高津 臣吾(ヤクルト→ホワイトソックス/広島工)、建山 義紀(日本ハム→レンジャーズ/東海大仰星)、高橋 尚成(巨人→メッツ/修徳)、薮田 安彦(ロッテ→ロイヤルズ/上宮)の9人。菅野が10人目となる。
この9人のなかで1年目から先発のマウンドに上がったのは、高橋尚ただひとりだけだ。
菅野にとって巨人の先輩でもある高橋尚は中継ぎとして開幕を迎えたが、5月中旬から先発に転向。初先発で勝ち星こそつかなかったが6回無失点の好投を見せると、次戦も同じく6回無失点と結果を出し、先発として初白星をマークした。その後は先発・中継ぎの両役割で起用されながら、シーズン通算50試合(先発12試合)に登板。10勝6敗、防御率3.61と結果を出した。
40歳でメジャーデビューを果たした高橋建は、NPB最終年に21試合(20先発)に登板したものの、MLBでは28試合すべてが中継ぎとしての登板だった。
NPB最終年に主に先発で起用され12勝を挙げた小宮山、同6勝の藪そして同3勝の斎藤も、MLBでは中継ぎ起用。先発投手としてマウンドに立つことはなかった。
35歳を超えるいわゆるベテラン、しかも日本からやってきたルーキーがMLBで先発のマウンドに立つことが、いかに困難であるかがよくわかる。
はたして菅野は今シーズンどのような成績を残すのだろうか。今後の登板からも目が離せない。
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