今年の大阪桐蔭のエース・中野 大虎投手。昨夏の甲子園・興南戦では完封勝利を挙げ、今年も大事な試合を任されてきた。この時期になると3年生は進路がはっきりしており、有力な選手でもプロ志望でなければスカウトは視察しないが、中野については森陽樹投手とともに、夏の大会でも視察される投手だという。
直近の公式戦では東洋大姫路戦で6回、5奪三振、6失点、関東第一との親善試合では8回5失点という結果だった。トータルでみると内容は悪くないが、突如として打たれることがある。この課題を乗り越えれば、一気に高卒プロが近づく投手だと見ている。
今年の投球を見ると、常時130キロ後半〜140キロ中盤の速球を投げ込んでいる。関東第一戦では8回に147キロをマークしたように終盤でも最速を投げられるスタミナも魅力だ。球質も非常によく、打者の手元でぐっと伸びてくるようなストレートは回転数、回転効率も高そうである。ストレートを両サイド、低め、高めに投げ分け、スライダー、カーブを加えていきながら打者を封じる投球である。
投球以外に目を向けると、クイックも素早く、フィールディングも鍛えられており、守備面ではプロで苦しむことはなさそう。
経験値も豊富で、ストレートの球質も良い。それでも打たれてしまうことがあるのは、単調になるからだ。不用意にストレートで押して行ったり、変化球が高めに浮いたりと、まだまだ付け入る隙が見られる。走者が溜まると、シュート回転気味の速球になっている。
1イニングごとに投球のクオリティの差が激しいので、特に強豪校や打線が良いチームと対戦したときにどれだけ投球の奥行きを持たせられるかが、夏までの課題となるだろう。
直近の結果があまり良くないため、評価はあまり上がっていない。
しかし、大阪桐蔭から高卒プロ入りした右腕と比べても質の良いストレートを投げている。まだ体つきもNPB基準でみると華奢で、見違えるような球速アップも期待できる要素も秘めている。名門校で揉まれていることもあり、クイック、フィールディングなど基礎技術もしっかりしているため、NPBのレベルにも対応できるスキルの高さを感じる。
夏次第では中位指名の可能性もあり得る投手ではないか。ぜひ快速球でねじ伏せる中野の姿を見てみたい。
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