プロ野球の交流戦が終了しました。今年キャリアハイの成績を残す勢いを見せているのがロッテの藤原 恭大外野手です。今季59試合出場で打率.283、3本塁打、15打点。すでに60安打を記録しています。自己シーズン最多安打は23年の78安打ですが、この勢いのままいけば、十分に超えるペースです。三塁打は2位タイの3本です。高校時代から期待していたスピードスターにふさわしいパフォーマンスをみせようとしています。

主砲として春夏連覇を導くも…

 藤原選手は枚方ボーイズ時代から小園 海斗内野手(報徳学園-広島)とともに騒がれた存在で、大阪桐蔭1年の春季府大会終了後の招待試合で早くもスタメン起用されました。ノーゲームとなった豊見城戦でしたが、本塁打を放ち、その期待に応えます。その後の香川の招待試合、練習試合で結果を残した藤原選手は夏のベンチ入りをはたします。3年生中心でメンバーを組む大阪桐蔭としては異例の抜擢でした。

 夏デビュー戦は7番センターでスタメン出場を果たし、東戦で2安打2打点の活躍を見せます。敗れた3回戦の関大北陽戦で初めて藤原選手を球場で見ましたが、1年生とは思えないほど冷静にプレーしているのが印象的でした。当時の3年生はセンバツにも出場した力のある代でしたが、実力的には遜色ありませんでした。

 1年夏が終わると、チームの主力へと成長します。1年秋は大阪大会、近畿大会を合わせて打率.417の活躍。その後も2年春のセンバツでは2本塁打、3年夏の甲子園では3本塁打を放ち、俊足センターでありながら、スラッガーとしても活躍します。

 最終学年では4番打者として起用され、その打順にふさわしいポイントゲッターとして活躍していました。ただ本質的に藤原選手は4番打者ではなく、下級生の時に打っていた1番打者が適任だと感じました。ライナー性の本塁打が多く、詰まっても本塁打にしてしまうような長距離打者ではありませんでした。木製バットでは本塁打は多く望めないと思いました。一方で足は非常に速かった。特に三塁打は左打者でも俊足の部類とされる11秒20台で常に走り抜けるほどでした。俊足を活かし、成績を残すには、1番打者スタイルが合っていると思いました。

苦節7年目で覚醒の兆し

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