苦節7年目で覚醒の兆し

 ロッテに入団してからも球団は将来のスピードスター候補として育てていました。ただ一軍で起用されても、年間通して、結果が残せない苦しい期間が続いていました。

 今年はかなりコンタクト力が高まっています。昨年から取り組んできたノーステップ打法が少しずつ実を結んでおり、速球、変化球にも打ち返すことができています。打率.283はパ・リーグ6位。1番打者として打線を勢いづける活躍を見せています。

 藤原選手のシーズン最多打席は23年の361打席で、まだ一度も規定打席に到達したことがありません。

 1年目から一軍で起用され、高卒3年目には254打席立つなど期待も大きく、将来の主力選手として起用されてきましたが、7年目で一流にふさわしい実績を残そうとしています。

 今季は最下位に苦しむロッテですが、藤原選手に加えて、すでに8本塁打の山本大斗外野手など期待の若手が出てきています。

 藤原選手が今年規定打席に到達し、8年目以降から毎年一軍で活躍しつづけることができれば、ロッテの高校生野手の育成ケースが出来上がるのではないでしょうか。

 今のNPBは投手の高速化の時代に入っており、高校生野手が簡単に活躍できない時代となっています。

 藤原選手の入団時の期待値からすれば、高卒3〜4年目でのブレイクが期待されていたと思いますが、ここまで時間がかかったのは投手のレベルアップが関係しているのではないでしょうか。

 20代後半から全盛期に入り、世代を牽引する俊足打者になってもらいたいと思います。

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