オリックスが好調だ。4月21日時点でパ・リーグ首位。消化試合数に違いはあるものの、チーム打率.292、76得点はいずれも12球団トップ。防御率2.54もパ・リーグトップと、ここまでは攻守ともに盤石だ。
とくに打撃陣が素晴らしい。打率ランキングの1位から3位を太田 椋(天理)、杉本 裕太郎(徳島商)、頓宮 裕真(岡山理科大付)とオリックス勢が独占。さらに6位に西川 龍馬(敦賀気比)、7位に中川 圭太(PL学園)が入り、トップ10に5人が名を連ねている。
12球団で唯一の4割超え(打率.413)となっている太田は、高卒7年目。ドラフト1位入団で、毎年期待を集めてきた。日本シリーズでの先頭打者本塁打など、記憶に残る一打を放ってきたが、故障もあってシーズンで規定打席に到達したことはなかった。そんななか、昨年はキャリアハイとなる91試合に出場し、打率.288(333打数96安打)、6本塁打と開花の兆しを見せた。そして今年は開幕ダッシュに成功し、飛躍の年になりそうだ。
2位の杉本は2021年の本塁打王、3位の頓宮は2023年の首位打者。いずれも2021年からのパ・リーグ3連覇に貢献してきたが、昨年は故障や不振に苦しみ、成績は振るわなかった。特に頓宮は、首位打者の翌年にもかかわらず打率1割台と極端な不振に陥った。その悔しさを晴らすかのように、今季はすでに本塁打5本と量産中。昨年の7本はもちろん、2023年の自己最多16本を上回る勢いだ。
同じく3連覇に貢献した中川も、昨年は規定打席未到達で打率.231(216打数50安打)と低迷していたが、ここにきて復調の気配を見せている。本塁打もすでに昨年と並ぶ2本を記録。得点圏打率.400と勝負強さも発揮しており、複数の守備位置をこなせる器用さも含め、チームにとって貴重な戦力だ。
加入2年目の西川は、昨年打率.258(519打数134安打)とキャリアワーストの成績に終わり、今年のオープン戦でも打率.051(39打数2安打)と苦しんだ。しかし開幕と同時に打撃が復調し、7試合連続安打と好スタート。4試合目から7試合目まではすべてマルチ安打以上と打ちまくり、チームの開幕ダッシュに大きく貢献した。現在はやや落ち着いてきたものの、打率.299(77打数23安打)と3割に迫る数字を残している。
加えて、開幕前に離脱していた森 友哉捕手(大阪桐蔭)が22日、2軍の阪神戦で復帰すると報道された。首位をキープするチームにとって、頼もしい存在が帰還すればさらに打線に厚みが増すことは間違いない。
岸田 護新監督のもとでスタートした新体制のオリックスだが、3連覇を支えた主力の復調に加え、新戦力の西川や、ブレイクの兆しを見せる太田ら若手の力も融合すれば、就任1年目からのリーグ優勝も夢ではなさそうだ。