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タイトル獲得者2人を輩出、1位が入団拒否も「日本ハム2011年ドラフト」は大成功!

2023.10.20


高校時代の松本剛

毎年行われるドラフト会議で、指名した全員が1軍で華々しい活躍をすることはない。複数人の主力が出てくることも、そう多くはない。レギュラーや先発ローテーション投手、勝ちパターンといった主力が、同一のドラフト会議から生まれたら、それは”大当たりドラフト”と言っても過言ではない。

近年、各球団に大当たりドラフトはあったのだろうか。高校生と大学生社会人の分離ドラフトが終わった2008年以降のドラフトで振り返ってみたい。

日本ハムは2011年のドラフト会議で指名した選手たちが、ドラフト1位指名の菅野 智之投手(東海大相模出身)が入団を拒否したにも関わらず大きな成果を出した。

ドラフト2位の松本 剛内野手(帝京出身)は、6年目の2017年に規定打席に初めて到達したものの、そのまま確固たるレギュラーにはなれなかった。しかし昨シーズン5年ぶりに規定打席に到達し、首位打者を獲得。ベストナインも受賞した。選手会長に就任した今シーズンは、キャリアハイとなる134試合に出場。打率.276(507打数140安打)の成績を残した。

ドラフト4位の近藤 健介捕手(横浜高出身)は首位打者争いの常連となり、2019年と2020年には最高出塁率のタイトルを獲得した。日本代表でも活躍し、2021年の東京五輪、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では金メダルに貢献している。今シーズンからはソフトバンクに移籍したが、そこでもいきなり本塁打王と打点王の二冠王に輝いた。

タイトルホルダーの2人は劣るものの、ドラフト3位の石川 慎吾外野手(東大阪大柏原出身)は左キラーの異名を持ち、日本ハム、巨人、ロッテの3球団で結果を残してきた。今シーズン途中から加わったロッテでは、44試合の出場で打率.348(112打数39安打)と好成績。なかでも左投手に対しては打率.373(75打数28安打)と、左キラーぶりは健在だった。通算409試合の出場しかないが、出場試合数以上の存在感を発揮している。

ドラフト7位の大嶋 匠捕手(早稲田大ソフトボール部)はソフトボール部出身ということで話題を呼ぶも、15試合の出場で打率.167(18打数3安打)と結果を残せず。

投手ではドラフト6位の上沢 直之投手(専大松戸出身)がエース格となった。タイトルの獲得こそないものの、3年連続を含む4度規定投球回に到達し通算70勝。近年の先発ローテーションを支えてきた。

ドラフト5位の森内 寿春投手(八戸工大一出身)は社会人出身の即戦力候補として1年目に56試合の登板で16ホールドをマーク。中継ぎとしてチームを支えるも、2年目以降は活躍できなかった。

松本、近藤と2人のタイトルホルダーに、通算70勝の上沢、そして石川と、高卒の選手がうまく育ったドラフトだった。

<2011年ドラフトにおける日本ハムの指名選手一覧>

1位:菅野 智之東海大相模ー東海大)
2位:松本 剛帝京
3位:石川 慎吾東大阪大柏原
4位:近藤 健介横浜高)
5位:森内 寿春八戸工大一ー青森大ーJR東日本東北)
6位:上沢 直之専大松戸
7位:大嶋 匠(早稲田大ソフトボール部)

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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