<関西学生野球連盟 令和7年度春季リーグ戦 第6節3回戦:近畿大1-0関西学院大>◇27日◇GOSANDO南港

 近畿大が勝ち点5の完全優勝で4季ぶり50回目の優勝を達成。6月に行われる全日本大学野球選手権の出場権を獲得した。

勝てば優勝、負ければV逸となる試合。7回裏に4番・阪上 翔也外野手(4年=神戸国際大付)の適時打でもぎ取った1点を3投手の継投で守り切った。

大学創立100周年に花を添える形となった近畿大。今年は4年生を中心に戦力が充実しており、全国でも上位を狙える布陣だ。

投手陣はエースの北見 隆侑投手(4年=乙訓)が右肘の怪我で思うように稼働できなかった中でリーグトップの防御率1. 66を記録。テーマに掲げてきた「2点以内に抑えて3点以上取る野球」を実現する原動力となった。

特に大活躍だったのが昨年の侍ジャパン大学代表にも選ばれた野口 練投手(4年=星稜)。制球力が高い左の技巧派投手である。今季は9試合、35回1/3を投げて、防御率は驚異の0.00。北見に教わったというチェンジアップの精度が上がり、ストレートとスライダーが生きるようになったという。全国の舞台でも0行進を続けられるかに注目だ。

速球派右腕の宮原 廉投手(3年=崇徳)も先発、リリーフにフル回転。増田 壮(2年=履正社)、有方 祥互投手(2年=近大付)といった下級生の台頭もあり、北見不在を感じさせない層の厚さを見せつけた。6日間で5試合を戦う選手権でも十分に戦えるだろう。

野手では主将の勝田 成内野手(4年=関大北陽)に野間 翔一郎外野手、阪上とプロ注目の4年生が2~4番に並ぶ。

勝田は身長163㎝と小柄ながらも攻守に技術の高さが光る選手。昨年は侍ジャパン大学代表に選出された。今季はリーグ3位の打率. 429にリーグトップの9盗塁と大活躍。14試合で24安打を放ち、リーグ記録の25安打まであと1本に迫った。

守備でも難しい打球を何度もアウトにして投手陣を助けている。西武で売り出し中の滝澤 夏央内野手のようにプロの1軍でも活躍できる能力は持っているはずだ。

野間は大阪桐蔭のレギュラーとして活躍した俊足の外野手。今季はリンパ節に炎症が起こる菊池病を発症して出遅れていたが、後半戦に復帰して打線に厚みをもたらした。

阪上は高校時代から二刀流で注目されてきた逸材。現在は野手に専念している。長打力には定評があったものの、昨年までは調子の波が激しく、低打率に終わるシーズンもあった。しかし、ミート力に磨きをかけた今季は全試合で安打を記録。リーグ2位の打率.434をマークした。

他にも守備力の高い遊撃手の米崎 薫暉内野手(4年=明徳義塾)、田村 好誠(2年=神戸国際大付)、長打力のある三木 太介内野手(3年=履正社)、巧打のリードオフマン・谷本 颯太(2年=広陵)、守備範囲の広い八幡 大介外野手(3年=広島商)、前半戦に野間の穴を埋めた打撃センスのある久保 尊外野手(2年=木本)など好選手揃いの近畿大。27年ぶりの優勝を目指して全国の強豪に立ち向かう。