オリックス2016年ドラフトは四冠右腕を筆頭に「大当たり」
毎年行われるドラフト会議だが、指名した全員が1軍で華々しい活躍をすることはない。複数人の主力が出てくることも、そう多くはない。レギュラーや先発ローテーション投手、勝ちパターンといった主力が同一のドラフト会議から生まれたら、それは”大当たりドラフト”と言っても過言ではない。
近年、各球団に大当たりドラフトはあったのだろうか。高校生と大学生・社会人の分離ドラフトが終わった2008年以降のドラフトで振り返ってみたい。
パ・リーグ3連覇を果たしたオリックスは、2016年のドラフトが大当たり以上の成果を挙げ、”神ドラフト”と言っても言い過ぎではない。
ドラフト1位の山岡 泰輔投手(瀬戸内高出身)は1年目からフル回転。3年目には最高勝率のタイトルを獲得する。故障で登板試合が伸びないシーズンもあったが、今年は先発、中継ぎの両役割で31試合に登板し防御率2.30と安定した成績を残した。
同2位の黒木 優太投手(橘学苑出身)は1年目から55試合に登板するなど活躍。3年目にトミー・ジョン手術を受けたことで3年間1軍登板がなかったものの、昨シーズン4年ぶりに復活。今年も12試合に登板している。
4位の山本 由伸投手(都城高出身)の存在が大きい。1年目から1軍でのデビューつかみ初勝利をマークすると、2年目は中継ぎとして54試合に登板し勝ちパターン入り。32ホールドを挙げた。先発に定着した3年目以降は圧巻。2021年からは3年連続で投手四冠を達成し、向かうところ敵なしだ。
山岡、黒木、山本だけでも十分すぎるが、6位の山﨑 颯一郎投手(敦賀気比出身)も昨年ブレークした。今年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表の一員として金メダルを獲得した。
その他にも、小林 慶祐投手(八千代松陰出身=今年阪神で戦力外)や、澤田 圭佑投手(大阪桐蔭出身=現・ロッテ)ら移籍先で結果を残した投手もいる。
また、華々しい活躍とはいかなかったかもしれないが、育成ドラフト1位の張 奕投手(福岡第一出身=今年西武で戦力外)、同2位の榊原 翼投手(浦和学院出身)、同3位の神戸 文也投手(前橋育英出身)と3人が支配下登録を勝ち取ったところも見逃せない。
オリックスの2016年ドラフトは、わずか7年で大きな成果を挙げたと言ってよさそうだ。
<2016年ドラフトにおけるオリックスの指名選手一覧>
1位:山岡 泰輔(瀬戸内高ー東京ガス)
2位:黒木 優太(橘学苑ー立正大)
3位:岡崎 大輔(花咲徳栄)
4位:山本 由伸(都城高)
5位:小林 慶祐(八千代松陰ー東京情報大ー日本生命)
6位:山﨑 颯一郎(敦賀気比)
7位:飯田 大祐(常総学院ーホンダ鈴鹿)
8位:澤田 圭佑(大阪桐蔭ー立教大)
9位:根本 薫(霞ヶ浦)
育1位:張 奕(福岡第一ー日本経済大)
育2位:榊原 翼(浦和学院)
育3位:神戸 文也(前橋育英ー立正大)
育4位:坂本 一将(浦和学院ー東洋大ーセガサミーーBC石川)
育5位:中道 勝士(智辯学園ー明治大)