関東一vs目白研心
関東一 オコエに憧れた中堅手・倉品 二塁打2本、4打点の活躍などで5回コールド
<第105回全国高校野球選手権東東京大会:関東一12ー2目白研心(5回コールド)>◇19日◇4回戦◇神宮
関東一は打っては3番で、捕手として攻守の要の衛藤 冴仁捕手(3年)が接触プレーで脳震とうの疑いがあるとして、この試合は大事をとってスタメンから外れた。代わりに2年生の熊谷 俊乃介捕手(2年)がマスクをかぶった。「肩には自信があります」という熊谷が、打撃でも二塁打1本を含む3打数3安打の活躍。「衛藤以上に打ってくれました」と米澤貴光監督が語る活躍で、選手層の厚さをみせる試合になった。
打順は3番の衛藤が欠場したことで、初戦で2番の坂本 慎太郎外野手(1年)が3番に入り、2番には初戦で7番の倉品 そうたろう外野手(3年)が入った。この試合、攻撃面で大きな役割を果たしたのが、倉品だ。
初回は両チーム得点なく迎えた2回、関東一は、この試合遊撃手でスタメン起用された1年生の6番・越後 駿祐内野手(1年)が四球で出塁し、この夏ベンチ入りを果たした3年生の7番・大森 翔外野手(3年)が左前安打、8番・熊谷が二塁打を放ち2人が生還。この試合抜擢された選手が先制の2点をたたき出した。さらに1番・西川 瞬内野手(3年)の四球に続き、この試合2番に入った倉品の二塁打でさらに2点を追加した。
この試合の関東一は大量リードをしているものの、どこか落ち着かない。3回、目白研心は7番で先発投手でもある7番の寺山 幸成投手(3年)が四球、8番・川内 結太外野手(2年)、9番・川本 友翔内野手(2年)の連続安打と下位打線で無死満塁のチャンスを作り、1番・浮津 春成内野手(3年)の左犠飛で1点を返す。
それでも関東一は、3回に1死一、二塁から8番・熊谷の左前安打で1点。9番、先発投手でもある坂井 遼投手(2年)が左翼手の失策で満塁となり、1番・西川が死球で押し出し。2番・倉品が右翼へ大きな打球。俊足の倉品は一気に二塁に進み、2人の走者が還った。2打席連続の二塁打に4打点として活躍する倉品は、先輩のオコエ 瑠偉(現・巨人)に憧れて関東一に入った。50メートルが6.1秒。加速した走塁は、タイム以上の速さを感じる。2本目の二塁打は勢いがつきすぎて、危うく二塁ベースにひっかかりケガをするところだった。それも倉品の速さゆえであった。倉品にとってオコエがつけた関東一の背番号8は憧れで、倉品はその背番号の8をつけることができた。あとは打順1番が「欲を言えば」と、ことわったうえでの目標だ。
関東一はその後も3番・坂本の犠飛、4番・高橋 徹平内野手(2年)の左前安打などでさらに2点を追加して3回に7点を加える。
ただ関東一は4回に遊撃手・越後の失策もあって1点を失うなど、大量の点差があっても、落ち着かなかった。4回はその越後の二塁打などで1点を加え、12対2の5回コールドが成立した。
春季大会から関東一の課題は2番打者が定着しないことと、遊撃手の守りだ。この試合、大村 勝星内野手(3年)に代わりスタメンに抜擢された越後は2失策。「緊張はあったと思います」と米澤監督。遊撃手は内野の守りの要だけに、大村であれ、越後であれ、もう1人の競争者である2年生の市川 歩内野手(2年)であれ、競争の中から誰が安定感をもたらすかは、関東一が勝ち上がっていくためカギになりそうだ。