都立昭和vs都立東村山西
都立昭和が低い打球を打つことを徹底、毎回得点で都立東村山西を圧倒
3回に三塁打を放った昭和・橋本君
<春季高校野球東京都大会:都立昭和13-0都立東村山西>◇3日◇1回戦◇府中市民
3月の1次予選の代表決定戦では、筑波大駒場とすさまじい点の取り合いの末に、17対10で結果的にはコールドゲームとなったものの、乱戦を経て進出してきた都立昭和。その後のミーティングで大原博文監督は、「今年のチームは元気がない。もっと元気を出していくためにも1球1球の確認など、声を出していこう」ということを語ったという。また、厚木投手に関しても、「あの試合では、相手のスイングが強かったということもあって、それにびっくりして細かいところを狙いすぎて自分のリズムも制球も乱してしまいました。もっと大雑把でもいいだろう」ということを指示したというが、この日の試合はそれが功を奏したという形にもなった。守りでは、まったく崩れることはなかった。
打線に関しても、「低い打球を打っていくことを心がけていくことと、2ストライクを取られてからは打ち方を変えていくことを指示した」と言うが、その指示を徹底していったことで、いい形を導いたと言えよう。
初回は、相手の2つの失策に乗じて都立昭和が先制。そして、2回も失策で出た走者が盗塁、暴投で三塁へ進むと、8番の厚木が中前打でかえす。さらにバントで進めると1番橋本が繋いで一、三塁として、続く久保が中越え二塁打でこの回3点。
さらに3回にも6番原の二塁打や1番橋本の三塁打など4安打で4点。4回も2死二、三塁から厚木の右中間三塁打でさらに2点。そして5回には、2死走者なしから2人が出ると、原の一打は風にも乗って右翼への3ランとなった。
そして、その裏は4回まで1安打のみで0に抑えていた厚木に代わって、背番号10の右スリークォーターの堀部投手につないだ。堀部は2安打されたものの、走者をけん制で刺すなどしてしっかりと0に抑えて、コールドゲームが成立した。
都立東村山西は、ほとんど自分たちのやりたいことができない形で試合が終わってしまった。それでも、内野投手は制球を乱したという形ではなく、しっかり勝負していった中での結果だった。それに、4回までに5失策というのも、やや厳しかったのではないだろうか。
(取材=手束 仁)