元ロッテの渡辺俊介投手を父に持つ渡辺 向輝(4年=海城-東京大)が3試合連続無失点に抑える好投を見せたが、惜しくも代表漏れとなった。それでもプロ志望の渡辺にとってはステップアップを果たした合宿だった。

 今回の合宿は自分の立ち位置を再確認するものだった。

「プロを目指す選手たちのレベルがこれほど高いのかと思い知らされました。キャッチボール1つにしても、今まで見たことがないような球を当然のように投げている。フォームについて議論しても、自分なりに勉強したつもりですが、ついていけないほど考えているレベルが高いです」

 周囲のレベルに圧倒されながらもできるだけのアピールに務めた。特に自信を持っている浮き上がるようなスライダーを軸にしながら、110キロ後半のストレートもコーナーに投げ分け、打たせて取っていった。「自分は前後の揺さぶりで抑える投手」と分析するように、相手打者を惑わす投球は見事だった。

 スカウトたちにアピールできるのは秋のリーグ戦のみとなった渡辺はこの秋、レベルアップした姿を見せることができるのか。