<春季奈良県大会:橿原8-7奈良女大付(延長10回)>◇19日◇2回戦◇佐藤薬品スタジアム

 2000年春の甲子園に出場した実績を持つ橿原が延長戦の末に奈良女大付を下した。

 橿原は1回表、内野ゴロと6番・宮下 快晴外野手(2年)の中前2点適時打で3点を先制。これで流れに乗りたいところだったが、2回以降は奈良女大付のエース左腕・髙橋 周太投手(3年)を打ちあぐねる。

 すると、4対2と2点リードした4回裏、二死一、二塁から9番・久保 祐輔内野手(2年)の左前適時打で1点差にされると、さらに一、二塁から1番・額田 嵩也(2年)にライトへの2点適時三塁打を浴びて逆転を許してしまった

 さらに7回裏には二死一、三塁から5番・児玉 了馬内野手(1年)に左前適時打を打たれて2点差に広げられてしまう。

 9回表には二、三塁と一打同点チャンスを作るもツーアウト。後がない状況で4番の長江 宗一郎捕手(3年)が打席に立つ。「ここで打たなアカンと思っていました」と2ボールからの変化球に上手く反応して、打球はライト前に。同点の2点適時打となり、土壇場で同点に追いついた。

 試合は延長戦に突入。10回表の橿原は相手の失策と代打・長野 早汰投手(2年)の犠飛で2点を勝ち越す。10回裏は1点を返されて、なおも二死満塁と一打逆転のピンチ。それでもここまで一人で投げてきた西川 哉杜投手(3年)がここまで3安打と当たっていた額田を捕邪飛に打ち取り、辛くも逃げ切った。

 182球で10回を投げ切った西川は「フォアボールが多かったので、そこを改善していきたいです」と9四死球を反省。それでも終盤まで粘り強い投球を見せ、チームに勝利をもたらした。

「また次もあるので、彼らにも良い経験になったと思います」と語った甲斐 正樹監督。苦しみながら掴んだ1勝の価値は大きいことだろう。

 敗れた奈良女大付も登録選手19人で健闘。スタメンで起用された児玉と西村 剛外野手の両1年生も「堂々とプレーしてくれた」と山口 琢士監督の起用に応えた。あと一歩届かなかった差を埋め、夏の躍進を目指す。