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【中日】2014年・2017年ドラフト指名選手全21人、支配下で残ったのは清水、加藤の2人のみ……

2023.12.10


花咲徳栄時代の清水達也

2年連続の最下位に終わった中日。今オフは積極的な補強で 強竜 復活を図っている。長期にわたる低迷の要因はさまざまだが、その1つがやはりドラフト戦略だろう。この10年で指名選手のほとんどが退団してしまったドラフトが2年もあるのだ。

まず2014年。1位に野村 亮介投手(静清-三菱日立パワーシステムズ)を指名したが、怪我もあり、一軍登板は通算で3試合に終わり、入団3年目の2017年に戦力外となり引退。
このドラフトで生き残っているのは加藤 匠馬捕手(三重高-青学大)のみ。加藤は、2019年に92試合に出場したが、正捕手と呼べる存在ではない。このドラフトの失敗が長い低迷につながったといわれている。

2017年のドラフトは1位に鈴木 博志投手(磐田東-ヤマハ)を指名した年だ。しかし鈴木が現役ドラフトでオリックスに移籍決定。支配下登録選手で生き残ったのは4位の清水 達也投手(花咲徳栄)のみになった。鈴木は1年目に53試合登板するなど、通算114試合登板で、7勝18セーブ、11ホールドを記録。ドラフト1位投手として一定の働きは見せてくれた。4位の清水は2年連続で50試合登板を達成し、戦力となっている。今年、トレードで日本ハムに移籍した山本 拓実投手(市立西宮)は22年に30試合登板、今年は中日で14試合投げたが、日本ハムに移籍。26試合登板し、ブルペンを支えた。エース候補として注目された2位の石川 翔投手(青藍泰斗)が度重なる故障で、育成落ちというのが苦しい。

一方で中日が素晴らしいのはドラフト1位選手が主力に育っていること。ローテーション投手では10年1位の大野 雄大投手(京都外大西-佛教大)、15年1位の小笠原 慎之介投手(東海大相模)、16年1位の柳 裕也投手(横浜-明治大)、20年1位の髙橋 宏斗投手(中京大中京)、スラッガーでは石川 昂弥内野手(東邦)が活躍している。1位の選手が期待通りに育つのは本当に難しいこと。

その年によって、成功と失敗が大きく分かれる中日のドラフト。今年は近年指名された選手たちの活躍に期待したい。

<2014年>
1位:野村 亮介投手(静清-三菱日立パワーシステムズ横浜)現役引退
通算3試合 防御率10.13
2位:浜田 智博投手(宮崎工-九州産業大)現役引退
通算1試合 防御率40.50
3位:友永 翔太外野手(東海大相模-国際武道大-日本通運)現役引退
通算 34試合 52打数7安打 2打点 打率.134
4位:石川 駿内野手(北大津-JX-ENEOS) 現役引退
通算 31試合 41打数10安打 1本塁打6打点 打率.244
5位:加藤 匠馬捕手(三重高-青山学院大)
通算 217試合 385打数67安打 2本塁打18打点 打率.174
6位:井領 雅貴外野手(桐蔭学園-JX-ENEOS)現役引退
通算 216試合 369打数83安打 2本塁打27打点 打率.225
7位:遠藤 一星内野手(駒場学園-中央大-東京ガス)現役引退
通算 293試合 488打数118安打 8本塁打43打点 打率.242
8位:山本 雅士(安芸南-徳島インディゴソックス)今季は神奈川フューチャードリームス
でプレー
3試合 防御率10.38
9位:金子 丈投手(大商大高-大商大)現役引退
11試合 防御率4.91
育成1位:佐藤 雄偉知投手(東海大相模)→指名拒否 Honda鈴鹿で現役引退
育成2位:石垣 幸大投手(いなべ総合)現役引退
一軍登板なし
育成3位:藤吉 優捕手(秀岳館)現役引退
一軍出場なし
育成4位:近藤 弘基外野手(享栄-名城大)現役引退
40試合 76打数14安打 3本塁打5打点 打率.184

<2017年>
1位:鈴木 博志投手(磐田東-ヤマハ) 現役ドラフトでオリックスへ移籍
114試合 7勝11敗 18セーブ15ホールド 防御率4.91
2位:石川 翔投手(青藍泰斗)育成降格
1試合 防御率0.00
3位:髙松 渡内野手(滝川第二
156試合 128打数29安打 30打点 打率.227
4位:清水 達也投手(花咲徳栄
121試合 9勝10敗 57ホールド 防御率3.44
5位:伊藤 康祐外野手(中京大中京) 戦力外
101試合 97打数16安打 2打点 打率.165
6位:山本 拓実投手(市立西宮) トレードで日本ハムへ移籍
98試合 6勝7敗 7ホールド 防御率3.83
育成1位:大蔵 彰人投手(大垣西-愛知学院大-徳島インディゴソックス)現役引退
一軍登板なし
育成2位:石田 健人 マルク東邦-龍谷大)現役引退
5試合 防御率12.00

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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