優勝候補の一角・広陵、高尾&只石の強力バッテリーを甲子園経験者が支える<明治神宮大会出場校紹介>
第54回明治神宮野球大会が15日に開幕を迎える。中国地区からは中国大会史上初の3連覇を成し遂げた広陵(広島)が出場。2年連続で準優勝に泣いているだけに、今年こそはと雪辱に燃えている。3年連続のセンバツ出場と、3季連続の甲子園に大きく前進している今大会優勝候補を紹介する。
エース髙尾を中心に先行逃げ切りで
広島県大会、中国大会と先行逃げ切りのパターンが多く、中国大会では決勝戦以外はすべて先制点を挙げて逃げ切った。絶対的なエース髙尾 響投手(2年)が君臨していることが大きな要素となっている。広島県大会2回戦の呉港戦だけは初回に5失点する苦しい展開だった。しかし0対6で迎えた5回から逆襲に転じて逆転勝ち。一番危なかったが、それを乗り越えられる総合力があったといえる。
★広島県大会の戦績
1回戦 11-1広島工(7回コールド)
2回戦 7-6呉港
準々決勝 7-1海田
準決勝 5-3尾道
決勝 4-3広島新庄
★中国大会の戦績
1回戦 6-3岡山学芸館(岡山)
準々決勝 4-0下関国際(山口)
準決勝 8-4宇部鴻城(山口)
決勝 2-1 創志学園(岡山)
今年春夏甲子園を知る男たちが打線をけん引
前のチームから残る選手がチームを引っ張る。5番打者だった只石 貫太捕手(2年)が今年は4番に座る。中国大会4試合は15打数3安打と打率.200だったが、1年からレギュラーで主将。チームの精神的支柱であることは変わらない。前チームでは只石の後ろ6番だった濱本 遥大外野手(2年)が、今年は1番でチームをけん引する。中国大会の成績は4試合すべてで安打をマークし16打数6安打で打率.375を残した。決勝の創志学園戦では貴重な同点打も放っている。スイングはコンパクトながら長打力も兼ね備えている。
前チームでベンチに入っていた土居 湊大内野手(2年)が3番に座り、15打数6安打の打率.400。下関国際戦では先制打とダメ押し弾を放って勝利に貢献した。内角の難しいコースの直球を振り抜いた打球は右翼ポール際に吸い込まれるなど、天性の長打力が武器。初戦から準決勝まで3試合連続で打点をマークする勝負強さもある2番打者・田村 夏芽外野手(2年)も今年春の甲子園で出場経験もあるなど、経験豊富な選手が広陵攻撃を支える。
エース髙尾に次ぐ右腕も急成長
エース髙尾 響投手(2年)は1年春からベンチ入りし、前のチームでもエースとして今年の春夏連続の甲子園出場に貢献した。最速147キロの速球と、キレのいいカットボール、スライダーに加え、スプリットも操る。テークバックが小さく球の切れがいいため、打者もタイミングが取りにくい。中国大会では2試合で完投勝利。勝てばセンバツ出場に大きく前進する宇部鴻城との勝負の準決勝で12奪三振の4失点完投。6回だけ集中打を浴びて4点を失ったが、5回まではわずか1安打に抑える安定感を見せていた。
この髙尾に続く投手として成長著しいのは堀田 昂佑投手(1年)。決勝の創志学園戦で先発して見事に1失点完投勝利を挙げて見せた。セットポジションからゆったりと左足を上げて鋭く腕を振る。思い切り腕を振る分、直球の切れも生まれ、チェンジアップなどの変化球も有効に決まる。公式戦初先発だったにもかかわらず、15歳以下の侍ジャパンに選出された素質の高さを見せつけ、初完投勝利でチームを優勝に導いた。この堀田もまた、今年の夏の甲子園も経験している。
投手陣2人と4人の野手が前チームから出場経験がある広陵は、初戦で星稜(北信越=石川)と対戦。昨年準優勝した悔しさも知る選手たちが、先輩たちが流した涙を無駄にしない戦いを見せる。
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