創部18年で初の甲子園へ! 熊本国府の快進撃を支える「待球戦術」「驚異の粘り」!
創部18年目ながら、初となる九州大会決勝進出。熊本県内では上位進出が続きながら、あと一歩届いていなかった新鋭・熊本国府の勢いが止まらない。初戦・飯塚(福岡)に勝利して九州大会初勝利を飾ると、準々決勝・大分舞鶴(大分)には延長10回のタイブレークの末に7対6で勝利。初の甲子園出場へ大きく前進すると、準決勝では前評判が高かった神村学園(鹿児島)に快勝。大会を大いに盛り上げている。
神村学園を封じた左腕・植田凰暉投手(2年)、準々決勝・大分舞鶴戦でホームランを放った梅田 悠汰内野手(2年)といった逸材が多いが、球場にいて何より感じたのは「簡単にアウトにならないな」ということ。各打者の対応力が高く、粘り強いことだ。
九州大会3試合の記録を見てみると、10球以内で攻撃を終えたのは27イニング中5イニング。球数に換算してデータを見てみると、1イニングでおよそ17球を投げさせているという結果が出てくる。6イニングを投げ終えるころには、100球を超えてくる計算だ。
実際、神村学園との準決勝も、神村学園先発・今村 拓未投手(2年)に対して、4回だけで30球投げさせるなど、5回までで78球と粘り強く食らいつく。すると6回に、球数が100球に近づいてきたタイミングで、4番・中嶋 真人内野手(2年)の適時打が飛び出すなど一挙3得点で逆転に成功。さらに8回にもダメ押しの追加点を奪って、試合を決定づけた。
熊本県大会から逆転勝ちが多く、粘り強さはチームカラーである熊本国府。大分舞鶴戦の後、岡本悠生外野手(2年)は「熊本県大会から全員がどんなに点差を付けられても、試合が終わるまで諦めないで戦ってきた」と逆転勝ちの秘訣を語っていた。その不屈の精神がバットに移り、この快進撃を支えてきたのではないか。ただではアウトにならない熊本国府。神宮大会へ、最後の壁は明豊(大分)だ。全国区の強豪相手に不屈の精神で粘り強く食らいつき、優勝を勝ち取ることが出来るか。