巨人の未来を担う「2020ドラフト組」、投打のブレイク選手は同期入団
毎年行われるドラフト会議で、指名した全員が1軍で華々しい活躍をすることはない。複数人の主力が出てくることも、そう多くはない。レギュラーや先発ローテーション投手、勝ちパターンといった主力が、同一のドラフト会議から生まれたら、それは”大当たりドラフト”と言っても過言ではない。近年、各球団に大当たりドラフトはあったのだろうか。高校生と大学生社会人の分離ドラフトが終わった2008年以降のドラフトで振り返ってみたい。
2年連続のBクラスとなった巨人だが、今シーズンは若い選手たちが力をつけてきた。特に、入団3年目にあたる2020年のドラフト会議で指名された選手たちの活躍が目覚ましい。
投手では、ドラフト2位の山崎 伊織特訓(明石商出身)が大ブレークを果たした。学生時代に右肘の手術を受けていたこともあり、1年目は1軍登板がなかった。2年目の昨シーズンは、20試合(17先発)で5勝をマークすると、今シーズンは、23試合に登板し10勝(5敗)と2ケタ勝利を達成した。また自身初となる規定投球回にも到達し、先発ローテーションに欠かせない存在となっている。
一方で、ドラフト1位の平内 龍太投手(神戸国際大附出身)は、昨シーズン53試合に登板して13ホールドを挙げブレークするも、オフシーズンに右肘の手術を受けたことで、今シーズンは11試合の登板にとどまった。来シーズン完全復活を目指すことになる。
野手ではドラフト3位の中山 礼都内野手(中京大中京出身)と同5位の秋広 優人内野手(二松学舎大附出身)が伸び盛りだ。中山は昨シーズン50試合の出場で打率.198(131打数26安打)と打撃面で苦しんだ。しかし今シーズンは78試合の出場で、打率.239(138打数33安打)と数字を上げた。また、昨シーズンは二塁打1本だけだった長打が、今シーズンは二塁打5本、三塁打1本の合計6本となっている。来シーズンは出場試合数を伸ばすことと、プロ初本塁打が目標となる。
昨シーズンは1試合、1打席のみの出場だった秋広は、今シーズンは一塁と外野で121試合に出場。そのなかで打率.273(406打数111安打)、10本塁打と大ブレークした。規定打席には4打席足りなかったものの、高卒3年目ということを考えれば文句のない数字だろう。松井秀喜氏の背負った背番号「55」を受け継いだだけのことはありそうだ。
育成指名を含めて、その他の選手に目立った活躍はないものの、まだ3年目が終わったばかり。来シーズン以降に大きく飛躍する選手が現れる可能性も十分にありそうだ。
文=勝田 聡
<2020年ドラフトにおける巨人の指名選手一覧>
1位:平内 龍太(神戸国際大附ー亜細亜大)
2位:山崎 伊織(明石商ー東海大)
3位:中山 礼都(中京大中京)
4位:伊藤 優輔(都立小山台ー中央大ー三菱パワー)
5位:秋広 優人(二松学舎大附)
6位:山本 一輝(東郷高ー中京大)
7位:萩原 哲(日南学園ー創価大)
育1位:岡本 大翔(米子東)
育2位:喜多 隆介(小松大谷ー京都先端科学大)
育3位:笠島 尚樹(敦賀気比)
育4位:木下 幹也(横浜高)
育5位:前田 研輝(広島工ー駒澤大)
育6位:坂本 勇人(唐津商)
育7位:戸田 懐生(KTCおおぞら高等学院ー四国IL徳島)
育8位:阿部 剣友(札幌大谷)
育9位:奈良木 陸(府中高ー筑波大)
育10位:山﨑 友輔(玉野商工ー福山大)
育11位:保科 広一(遊学館ー創価大)
育12位:加藤 廉(島田工ー東海大海洋学部)