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【明日開幕】秋季東京大会は序盤から好カード続出!? 2回戦で日大三vs二松学舎大附が激突か!

2023.10.06


10月7日から行われる秋季東京都高校野球大会の組み合わせが決まった。夏の東西東京大会でそれぞれ準々決勝に進出した16チーム、地区大会を勝ち抜いて本大会に進出すればシードされる。しかし、この夏は波乱続きで、二松学舎大附東海大菅生関東一などの強豪がノーシードになった。その影響もあり、序盤から好ゲームが続出することになった。

2回戦で日大三・二松学舎大附が激突か?

トーナメント表を4分割で見ると、この夏の甲子園出場校、共栄学園日大三がシードされている、左上と右下のブロックに強豪校が集まった。

まず目につくのは西東京大会優勝の日大三が、2回戦に勝ち進めば、二松学舎大附と対戦する可能性が大きいことだ。谷亀 和希投手(2年)など、日大三投手陣は夏を経験しているものの、野手はほとんど経験していない。夏の甲子園大会出場校は、新チームの結成が他校に比べて遅いので、秋季大会の序盤は苦戦することが多い。その意味では、1回戦の都立の強豪・都立小山台との対戦も、決して油断できない。日大三としては、都立小山台戦で勢いをつけたいところだ。

1次予選で帝京をコールドゲームで下した二松学舎大附は、今大会優勝候補の筆頭格だ。片井 海斗内野手(2年)、五十嵐 将斗外野手(2年)らの強力打線に、大内 啓輔投手(2年)、祖父江 広都投手(2年)らの投手陣も充実している。それでも1次予選の帝京に続き、本大会では2回戦で日大三との対戦が想定されるなど、序盤からヤマ場が続く。この激闘の勝者は3回戦で日大豊山との対戦が有力だ。

その勝者が準々決勝で対戦するブロックには、明大中野八王子明大中野佼成学園などがいる。明大中野八王子明大中野は、1回戦に勝てば2回戦で対戦する。明大中野八王子は、来年4月から明大八王子と校名を変更するだけに、因縁の対決になりそうだ。明大中野八王子には、夏の大会でも活躍した1年生の下手投げ、上原 和玖投手がおり、明大中野は、吉田 海渡内野手(2年)を中心とした打撃のチームだ。

佼成学園は1次予選で好投した熊谷 憲祐投手(1年)に、攻守に力のある間野 結斗内野手(1年)という2人の1年生をはじめ、戦力は充実している。それに日大二などもいて、このブロックは激戦区だ。

夏に続き東海大菅生と二刀流・森井を擁する桐朋が対戦

この夏、東東京大会を制した共栄学園がシードされているブロックで、注目は東海大菅生桐朋の試合だ。この両校はこの夏、西東京大会の4回戦で対戦。この時は7対1で東海大菅生が勝ったものの、序盤は二刀流・森井 翔太郎投手(2年)の好投に苦しんだ。東海大菅生は、筒井 湊投手(2年)、宮本 恭佑投手(2年)、上原 慎之輔投手(1年)らの投手陣に、阪野 拓海外野手(2年)を中心にした打線も力があるが、桐朋も侮れない相手だ。

この試合の勝者は、共栄学園との対戦が有力だ。共栄学園は、東東京大会の決勝戦で先発登板し、甲子園も経験した田嶋 勇斗投手(2年)がチームを引っ張る。1次予選はチーム作りの最中という感じであったが、本大会までに、どこまで仕上げてくるか。

この勝者が3回戦で対戦する相手は修徳が有力だ。修徳染田 棟煌外野手(2年)を中心とした打線はかなり力がある。1次予選で東亜学園を破った都立武蔵丘、都立の強豪・都立片倉らも力は十分ある。

このブロックを勝ち抜き、準々決勝に進出すると、関東一との対戦が最有力ではあるものの、関東一は入っているヤマにも、侮れないチームが揃っている。

関東一の高橋 徹平内野手(2年)は、二松学舎大附の片井とともに、この秋の東京を代表する強打者の1人。投手陣の中心の畠中 鉄心投手(2年)、二刀流・坂本 慎太郎投手(1年)らもおり、優勝候補に挙げられる。1回戦で対戦する駒大高は、夏は準々決勝で日大三を苦しめた。福本 拓生捕手(1年)、一塁手の廣瀬 天翔内野手(2年)ら夏のメンバーが残っている。

このブロックには、ナックルカーブなどで緩急の投球が光る吉田 健汰投手(2年)を擁する日体大荏原、1次予選で堀越をコールドで破っている工学院大附、打線に力がある都立の強豪・都立日野、夏4強の城西大城西もおり、どのチームが4強に残るか、激しい戦いが予想される。

1次予選で強豪に大勝の聖パウロ学園と国士舘が2回戦で対戦か?

1次予選で八王子をコールドで破った聖パウロ学園と、同じく國學院久我山をコールドで破った国士舘が、順当なら2回戦で対戦する。聖パウロ学園宮川 聖治投手(2年)、原田 翔奈冬投手(2年)らの投手陣が充実。国士舘小椋 旭人外野手(2年)の攻撃陣に力があり、好ゲームが期待できる。

この試合の勝者は、創価との対戦が有力だ。創価土居 賢士郎投手(2年)らの好投手を擁しており、どちらが勝ち上がっても、熱戦が期待できる。

この試合の勝者は、夏4強の早大学院との対戦か?このブロックには、麻布都立日比谷といった超進学校が入っている。都立昭和都立紅葉川といった都立の強豪校の試合も注目される。

4分割で左下のブロックでは、早稲田実業が最有力だ、長身のエース・荒川 稟治郎投手(2年)に宇野 真仁朗内野手(2年)、石原 優成外野手(2年)ら力のある打者が揃い、優勝候補に挙げられる。

しかしこのブロックには、夏4強の岩倉、投打で活躍が期待される水野 耀喜投手(2年)を擁する都立文京、夏の全国制覇の時の主将だった片桐 幸宏監督に代わり、この秋からOBの津野 裕幸氏が新監督に就任した桜美林、そして夏は早稲田実業を破った日大鶴ヶ丘には、小針 大輝内野手(2年)、杉浦 凛外野手(2年)らの強打者が残っている。早稲田実業の戦力が充実しているとはいえ、対抗する各校にも力がある。

1次予選では二松学舎大附と帝京という超ビッグカードをはじめとして、強豪対決の多くがコールドゲームで終わった。力の差はさほど変わらなくても、流れを失うと大差がつくこともある。本大会でも前半から好カードが多いが、どうなるのか?

この夏、波乱が多かったが、秋もそうした旋風が吹き続くのか?バットが低反発に変わる前の最後の大会だけに、投手陣がどこまで踏ん張れるのか?序盤から目が離せない大会になることは確かだ。二松学舎大附早稲田実業関東一東海大菅生などが優勝候補に挙げられるものの、夏と同じように、思わぬ展開になる可能性も十分ある。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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