北嵯峨vs日星
1失点完投勝利を収めた木瀬翔太(北嵯峨)
最速146キロ右腕・木瀬が1失点完投!北嵯峨が日星との投手戦を制す
<第105回全国高校野球選手権京都大会:北嵯峨2-1日星>◇18日◇3回戦◇わかさスタジアム京都
北嵯峨は1回、1番の藤吉 良太外野手(3年)が右越え三塁打で出塁すると、2番・小豆澤 司外野手(2年)の右犠飛で1点を先制。2回にも1死一、二塁から8番・佐々木 泰士内野手(3年)の右前適時打で追加点を挙げ、試合を優位に進める。
北嵯峨の先発は最速146キロ右腕の木瀬 翔太投手(3年)。序盤にもらったリードをしっかり守りたいところではあったが、2回に制球を乱して、2四球と失策で無死満塁のピンチを招く。さらに8番・大平 壱吹内野手(2年)にも四球を与えてしまい、押し出しで1点差としてしまう。なおも一打逆転のピンチが続いたが、ここは木瀬が踏ん張り、何とかリードを保った。
その後は投手戦となる。「要所で抑えられたので、真っすぐが良かったと思います」と木瀬が力強い速球を中心に押していけば、日星先発の荒木 嵩晴投手(3年)もコースを丁寧に突く投球で、3回から8回までの6イニングを無失点に抑え込んだ。
木瀬は6回に足が攣ったような仕草を見せ、制球を乱して2死満塁のピンチを招いたが、見逃し三振でピンチを脱出。7回以降は元気を取り戻し、最後までリードを守り切った。
「荒木君が良いピッチャーなので、昨日のミーティングから今日は我慢の展開になると話をしていました。暑さも含めてだいぶ後半へばりましたけど、本当に我慢できたと思います」と選手の頑張りを称えた北嵯峨の牧野隆史監督。春の府大会で京都翔英に負けてからは我慢をテーマに取り組んできたそうで、その成果が発揮された試合となった。
気迫の投球を見せた木瀬は161球を投じて7四死球を与えながらも4安打10奪三振で自責点0の好投。身長185センチ、体重85キロの恵まれた体格から放たれる速球には将来性を感じさせられた。北嵯峨OBで兄の陽太は佛教大の投手として活躍中。進路はまだ決めていないが、「真っすぐが強く投げられるのが魅力。将来はもっと野球を続けてほしい」と牧野監督は上のステージでも活躍してくれると期待している。
春2回、夏3回の甲子園出場歴のある北嵯峨だが、ここ2年は4回戦止まり。次戦で壁を破れるかが古豪復活のポイントとなりそうだ。昨夏の4回戦でも先発した木瀬は「去年もわかさスタジアム京都で登板して先輩を勝たせることができなかった。自分はメンタルが弱くて、ピンチになるとマイナスなイメージが付いてしまうんですけど、自分のやってきたことを信じて頑張ろうと思います」と雪辱を誓っている