駿台学園vs多摩大目黒
駿台学園 堀尾の8回を被安打1、0封の好投で多摩大目黒に8回コールドで勝利
駿台学園・堀尾 享生
<春季高校野球東京都大会:駿台学園7ー0多摩大目黒>◇5日◇2回戦◇江戸川区
両チームとも投手陣の顔触れが、秋とは異なる。駿台学園でこの試合先発した堀尾 享生は、秋はベンチ入りすらできなかった。「ひと冬越えて、伸びてきています。体を使い方ができてきました」と、駿台学園の三角 裕監督は言う。
一方、多摩大目黒は、秋のベスト16の立役者であった西井 晃太は、1年生の時に前の学校を辞め、翌年に多摩大目黒に入学したため、今年度は年齢制限で公式戦には出場できない。本人が大学でも野球を続けることを希望しているため、現在はコーチ兼選手という形で、公式戦には出場できなくても、選手としての練習は続けているという。
ただ西井が試合に出場できないため、2、3年生で試合に出場可能なメンバーは13人となる。そのため、誰が投げても投手と野手の兼務となる。そうした中で眞弓 禎史監督が守備のことも考えて先発のマウンドに送ったのは背番号4の辺見 陽輝であり、背番号1で主将の谷藤 律希は遊撃手で出場した。
試合は1回表、駿台学園が2番・關川 莉久の左前安打と4番・相吉 澤櫂の三塁打で1点を先制。2回表も、7番・金杉 愛友、8番・關川 夏生、9番・堀尾の3連打と、1番・小林 優斗の中犠飛で2点を追加する。
多摩大目黒の先発・辺見は、立ち上がり失点を重ね3点のリードを許したものの、3回以降は超スローボールを交ぜながら、落ち着いた投球をするようになった。
しかし、駿台学園の先発、堀尾の投球が素晴らしく、反撃の糸口をつかめない。3回までは三者凡退。4回に四球の走者を出したものの、安打は打たれない。「序盤は体がしっかり動き切れませんでしたが、中盤からは動くようになりました」と堀尾は言う。また多摩大目黒の眞弓監督は、「スライダーがいいところに決まっていました。打つ位置を変えたりしましたが、うまくいきませんでした」と語る。
堀尾の好投に内野手も好守で応え、多摩大目黒は安打が出ない。堀尾は7回裏2死まで安打を打たれなかった。続く4番・高松 俊輔は、一、二塁間に痛烈な打球。二塁手がはじいて出塁する。記録は安打か失策か微妙なところであったが、安打となり、多摩大目黒はこの試合初安打を記録した。しかし堀尾は、その後、安打を打たれなかった。
駿台学園は5回に1点、8回に3点を追加し、7対0。8回コールドで駿台学園が3回戦進出を決めた。
敗れた多摩大目黒は、秋季大会で活躍した西井が試合に出場できなくなるため、「11月から新たなチームを作ろうとやってきました」と語る。その意味では春季大会は最初の公式戦になる。攻守に課題は出たものの、修正していく時間は、十分にある。
駿台学園は、この試合で堀尾が活躍したことは、投手陣のもう1人の柱・大日向 幸平にも刺激になったはずだ。3回戦は夏のシードをかけて、関東一と対戦する。チームの総力を挙げての戦いになる。
(取材=大島 裕史)