都立西vs都立保谷
都内屈指の進学校に現れた好投手・渚の快投で代表決定戦に進出
先発・渚阿貴(都立西)
都立を代表する進学校として有名な都立西。普段の練習時間は90分〜120分ぐらい。それでも、守備は非常に鍛えられている。
エースである渚亜貴投手は1次予選に登場する投手としてはレベルが高かった。右オーバーから常時115キロ〜120キロ前半(最速123キロ)の速球が両サイドに決まった。100キロ前後のカーブは曲がりが大きく、鋭く落ちる縦スライダーの切れも光るものがあり、三振を奪える。投球フォームも、トップの位置が安定しており、フィニッシュまでの流れがスムーズ。球速面は平均的かもしれないが、技術的にはしっかりしている。秋森監督も全幅の信頼を置いている投手で、このまま球速が伸びてくれば、国立大学の野球関係者の目に止まる存在になるのではないか。
守備も堅く、ピンチを迎えても併殺で切り抜けるなど、守備で渚を助けていた。
渚は昨秋の練習試合で131キロを計測。本人が語るように、マックスで投げる直球と遅めの直球を使い分けて、タイミングをずらしている。やや制球を乱すところはあったが、経験も豊富で、ストライク先行ができる投手なので、見ていて安心できる。
1点の先制を許した都立西だったが、5回表、敵失から1点を返し、さらに満塁のチャンスから1番顔 子皓(がん・しひろ)外野手の勝ち越しとなる適時打、さらに相手のエラーもあり、顔も生還するなど5対1とした。その後、暴投や都立保谷の5番・関根の適時打で2点差まで詰め寄られたが、7回表には2死一、三塁から5番土井泰貴の左越え適時三塁打で7対3と突き放した。9回表にも犠飛で1点を追加し、8対3とした。
渚は7安打を打たれながらも、8奪三振完投勝利。代表決定戦へ進出した。
投打とも活気があり、エースもしっかりしている。今後も注目のチームだ。
(記事:河嶋 宗一)
グラブタッチする三塁・船尾、一塁・八木(都立保谷)
完投勝利を収め、整列に入る渚(都立西)
勝ち越しに沸く都立西