【センバツ出場校分析】県立豊橋工業高等学校（愛知）

森 奎真（豊橋工）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は24人。その内、5人が右投げ左打ちで、左投げ左打ちは2人。レギュラー格は2人が左打者。全選手が愛知県出身で、学校所在地の豊橋市以外の出身者は3人。
学年は新3年生が14人で、新2年生が10人と下級生の割合は42%。

【ディフェンス面】
大黒柱はエースの森 奎真。秋は11試合に登板し、完封1を含む10試合で完投した。イニング数92は、仙台育英の佐藤 世那、九州学院の伊勢 大夢に次いで3番目に多い。奪三振率7.63は32校の主力投手の中で12位。2試合で二桁三振を奪った。バックは1試合平均失策1.64とやや多いのが課題と言える。特に敗れた愛工大名電戦と浜松修学舎戦ではともに3失策をおかしてしまった。総失点31に対して全投手の自責点は24。この差をもう少し縮めたいところだ。

1試合平均許盗塁は1.33で32校中、下から2番目。ただ、愛知県大会以降の7試合に限っては、森 奎真が登板していない愛工大名電戦の8盗塁を除いて、1つも盗塁を許していない。この数字の裏に、森 奎真と捕手・彦坂 拓真の呼吸があると考えてもいいかもしれない。

【オフェンス面】
1試合平均得点3.83、平均安打7.51、平均四死球2.43、チーム打率0.251はいずれも出場32校中、最下位だった。全96安打に占める長打の割合は20.8%でこちらは26位となっている。攻撃部門のランキングが低い中、目立つのが盗塁だ。1試合平均2.50は32校中、6番目に多い。初出場の東海大会では、敗れはしたものの3盗塁を成功させて攻撃の形を作った。3番の江川 清太郎がチームトップの7盗塁を記録している。
1試合平均得点は低いが、勝った試合は全て2点以上を挙げており、逆に敗れた3試合は全て1点以下。
数字上、2点取れば勝ちゲームというのは、面白いデータと言えるだろう。

【戦い方から見える傾向】
新チームの実戦スタートは7月29日。夏もエースだった森 奎真はしばらく登板せず、復帰は8月5日の津島戦だった。

東三河地区の一次リーグは8月16日から始まるため、8月前半である程度のチーム作りを目指していたことがデータからは窺える。

一次リーグは3戦全勝で勝ちぬけたが、二次トーナメント1回戦で桜丘に延長で敗れた。ここから敗者復活勝ち上がって、愛知県大会へと駒を進めている。

公式戦13試合でコールドゲームは敗れた試合を含めて2。延長は1試合だった。1試合あたりの平均イニングは8.85となる。3敗のうち、唯一大差だったのが愛知大会準決勝の愛工大名電戦。勝てば東海大会出場、敗れれば三位決定戦に望みを繋ぐという状況だったが、連戦だったこともありエース・森 奎真は登板しなかった。エースは2日後の三位決定戦で足に打球を受けながらも完投しており、こちらに重きを置いていたとも読み取れる。