【小関順二のドラフト指名予想】読売ジャイアンツ編 「11年ぶりBクラスの巨人を救うのは超高校級の野手たちか!?」
読売ジャイアンツ 今季戦績
143試合 72勝 68敗 3分 勝率.514 セ・リーグ4位(10月4日現在)
11年ぶりBクラスの巨人を救うのは超高校級の野手たちか!?
清宮 幸太郎 (早稲田実業)
■1位は清宮ら野手が濃厚か
11年ぶりのBクラスが決定した10月1日以降、敗因がさまざまに取り沙汰された。リーグ最少失点=504(2位は阪神526)、防御率2位=3.31(1位は阪神3.29)でのBクラス転落は史上初の記録らしい。その他、1点差ゲームの成績が13勝27敗で、併殺打は球団史上ワーストの129。まさに負けるべくして負けたという感じだ。投手陣は頑張った。それは「リーグ史上最少失点、防御率1位」が如実に示している。主力の先発陣の成績は以下の通りだ(10/3現在)。
菅野 智之 17勝5敗、防御率1.59
マイコラス 14勝8敗、防御率2.25
田口 麗斗 13勝4敗、防御率3.01
畠 世周 6勝4敗、防御率2.99
優勝した広島は薮田 和樹15勝3敗、岡田 明丈12勝5敗、大瀬良 大地10勝2敗と2ケタ以上が巨人と同じ3人いて、野村 祐輔と九里 亜蓮が9勝5敗で追走する。層の厚さで巨人は及ばないが、トップ3の力は広島以上と言ってもいいだろう。
そう考えれば1位は野手で行きたい。今年のドラフトは清宮 幸太郎(早稲田実・一塁手)、安田 尚憲(履正社・三塁手)、中村 奨成(広陵・捕手)という並外れた実力の高校生野手が揃っている。近年では10年に高校生野手が3人、1位指名されているが(駿太、山田 哲人、山下 斐紹)、話題性や大物感では今年のほうが上である。
注目は、巨人がこのうちの誰に向かうのかということ。10月2日の清宮家との面談には鹿取 義隆GM、岡崎 郁スカウト部長、福王 昭仁東日本統括スカウトとともに石井 一夫球団社長が参加してやる気をアピールしたが、1位で入札する意思表示は今のところない。
今季の守備成績を見ると一塁に就いた選手は阿部 慎之助115試合、村田 修一30試合、マギー20試合と、高齢選手の溜まり場のようになっている。こういう状況で一塁手の清宮を獲得するのはどうなのだろう、と思っていたら三塁もマギー78試合、村田71試合とベテランがせめぎ合っている。捕手は20歳代の小林 誠司と宇佐見 真吾が張り合っているので中村の指名はなさそうである。清宮か安田か、清宮を指名する場合はこれまで認めてこなかったポスティングシステムでのメジャー移籍も認めなければならない。巨人は考えなければいけないことが多い。
これからを考えて投手も
投手は意外と層が薄い。主力と言われている森福 允彦、大竹 寛、澤村 拓一、杉内 俊哉、吉川 光夫、内海 哲也、宮國 椋丞、山口 俊、山口 鉄也、高木 勇人の10人が頭打ちの状態になっているのだ。このうち5人は移籍選手なので、FA戦略を見直す必要がありそうだ。戦力として計算が立つのは前記の菅野、マイコラス、田口、畠にリリーフのマシソン、西村 健太朗、カミネロくらいなので、投手の1位入札は十分考えられる。
即戦力候補ナンバーワンは左腕の田嶋 大樹(JR東日本)で、抽選で外せばリーグ戦で過去2度のノーヒットノーランを達成している左腕・東 克樹(立命館大)、ストレートの最速が157キロを計測している鈴木 博志(ヤマハ)が外れ1位の候補になる。
■清宮、安田の加入で岡本復活を願う
投打どちらに向かうかは両分野の逼迫度(ひっぱくど)によるが、私には野手のほうが早い手当が必要だと思う。高校生の清宮が話題になってから、高校卒3年目の岡本 和真の伸び悩みがクローズアップされているが、これは岡本のせいというより使い切れない首脳陣のせいである。巨人から日本ハムに移籍後、打率.258、安打110、本塁打15、打点46という成績を残した大田 泰示を見ればよくわかる。大田が巨人在籍の8年間で挙げた成績は「打率.229、安打100、本塁打9、打点40」。清宮か安田の加入によって現在休眠状態に入っている岡本の目を覚まさせる、これも重要なポイントである。
(文・小関 順二)
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