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今年も準硬式が甲子園で大会開催!NPB選手も出場した準硬式界の神宮大会の決勝戦が聖地で繰り広げられる!<田中裕毅の”準硬ドットコム”第15回>

2024.04.17


4月も中旬に差し掛かり、全国各地でリーグ戦が繰り広げられている。本格的にシーズンが動き出している最中、全日本大学準硬式野球連盟は、2024年シーズンの全国大会のスケジュールを正式発表した。

連載第11回でお伝えした通り、今年は佐賀県、北海道、神奈川県でそれぞれ全国大会が繰り広げられる。そんななか、神奈川県を拠点にして開催する第42回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会(以下、9ブロック)の決勝戦が、阪神甲子園球場で開催することが明記されていた。

中止となった2022年を含めて3年連続で、準硬式野球が聖地・甲子園で大会を開催する方向で進んでいるのは、非常に大きな意味を持つ。しかし、9ブロック大会とは何なのか。なぜ全国大会に位置付けされているのか。今回はまだ触れていなかった第3の全国大会、9ブロック大会を見ていきたい。

選ばれた選手たちだけが集まる第3の全国大会

8月の全日本大学準硬式野球選手権、9月の清瀬杯全日本大学選抜準硬式野球大会は、多くのチームが出場を目指す全国大会だ。この大会については、連載第5回の際に触れたが、今回紹介する9ブロック大会も、この2大大会と同じ全国規模の大会である。そのなかで違うのは、全選手に出場するチャンスがあるということ。
詳しく説明すると、9ブロック大会は各地区の選抜チーム同士で対戦をする。チーム単位で出場せず、選考に基づいて招集された選りすぐりの精鋭ばかりが集結する即席チームを編成して日本一の座をかけて戦う。ゆえに8月、9月の全国大会を逃しても、個人として実力のある選手ならば、今大会に出場することができる仕組み。
特に、加盟チームが多く2部以上のリーグを編成している連盟の選手にとっては、唯一のチャンスといっていい全国のチャンスになる。
事実、2023年のオリックスドラフト5位・高島泰都(明治大準硬式OB)も、9ブロックの舞台で活躍。さらに、2024年からプロの世界に進んだ以下の3人も、選抜チームに招集された実績がある。

準硬式時代の高島泰都投手

・くふうハヤテベンチャーズ静岡:竹内奎人(群馬大・関東選抜)
・高知ファイティングドックス:池端航洋(関西学院大・関西選抜)
・富山GRNサンダーバーズ:道崎亮太(中京大・東海選抜)
竹内、池端については公式戦での登板機会をもらっており、第一歩を踏み出した。これからシーズンが始まる道崎も楽しみではあるが、上の世界でも奮闘する選手たちが9ブロックを経験している。それだけ実力ある選手たちが集まる大会なのだ。
これまで甲子園で開催されてきた大会は、東日本と西日本の2チームに分けて選抜チームを結成して戦った。もちろんその時も、素晴らしい選手たちが集結したが、9ブロックごととなれば、選出されるチャンスも増え、地区を代表する選手が続々出場することが期待される。
U-18を除いて選抜チームを編成することがほとんどない高校野球ではあまりなじみがない。だが、地域の代表チームが日本一をかけて戦うという観点では、9ブロックはほぼ同時期に開催される明治神宮大会が近い存在だろう。
そんなレベルの高い大会の決勝戦が、甲子園で開かれようとしている。準硬式界にとって、シーズン最後の公式戦にもあたる9ブロックの決勝戦。フィナーレを飾るにふさわしい舞台に立つのは、どのチームなのか。またどんな選手たちが集まるのか。甲子園での開催とともに期待をして待ちたい。

<関連記事>
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取材・文/田中 裕毅(準硬式野球評論家)
小学3年生から中学生までは軟式野球。高校での3年間は硬式野球をプレー。最後の夏は控え捕手でベンチ入りを果たす。
大学から準硬式野球で3年間プレー。大学2年、3年生のとき、チームは清瀬杯大会に出場し、自身はベンチ入り。さらに3年生の1年はチームの主務として、選手登録やリーグ戦運営に携わる。特に春季リーグはリーグ委員長として、試合日程の調整をはじめとした責任者を任される。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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