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NPB12人輩出! 文武両道・準硬式部員が燃える「2大大会」がアツすぎる! <田中裕毅の”準硬ドットコム”第5回>

2024.01.31


高島泰都投手

12人のプロ選手輩出!選手のレベルは硬式にも劣っていない!

レベルに問わずに誰でもプレーできる寛容性。学生たちの主体性を重んじる風土、そして文武両道といった何事にも挑戦できる環境が準硬式の魅力だ。これだけ聞いていると準硬式は、気軽に楽しくプレーできる世界だと認識するだろうが、レベルはもちろん高い。
75年の歴史を振り返ると、以下の選手が大学準硬式、もしくは準硬式を経験したのち、社会人などを経てNPBの世界に飛び込んでいる。

上田正則(沖縄大):1974年ドラフト外・ロッテオリオンズ
池畑満也(沖縄大):1975年ドラフト外・ロッテオリオンズ
呉俊宏(法政大):1987年ドラフト外・横浜大洋ホエールズ
山田和幸(早稲田大):1994年ドラフト6位・西武ライオンズ
青木勇人(同志社大):1999年ドラフト6位・西武ライオンズ
山本歩(関西学院大):2005年ドラフト5位・西武ライオンズ
神田直輝(群馬大):2009年ドラフト育成5位・巨人
川口盛外(早稲田大):2009年ドラフト6位・広島
鶴田圭祐(帝京大):2016年ドラフト6位・楽天
坂本工宜(関西学院大):2016年ドラフト育成4位・巨人
大曲錬(福岡大):2020年ドラフト5位・西武
高島泰都(明治大):2023年ドラフト5位・オリックス

総勢12人と、まだまだ多いとは言いにくい人数とはいえ、トップ選手はNPBの世界に飛び込んでいけるレベルが準硬式。気軽に楽しくという一面もありながら、やりこむチームは本気でとことんプレーできる。その二面性、器の大きさが準硬式の魅力だと、改めて伝えたい。

笑顔も涙もこぼれるほど準硬式は本気だ!

全日大会で優勝し、笑顔と涙を流す選手たち

選手個々のレベルの高さはわかった。では大会はどうなのか。高校野球であれば3月のセンバツ、そして8月の甲子園という、一般のファンでも認識している大舞台がある。多くの学校が「甲子園出場」という目標とともに、全国大会を目指して日々の練習に打ち込む。だから、高いレベルの試合が毎年甲子園を沸かしているのだ。

そんな2つに相当するような熱い大会が大学準硬式にあるのか。答えはイエスだ。
準硬式にとって、大きな大会が2つ。1つ目が8月に開催される文部科学大臣杯 全日本大学準硬式野球選手権記念大会。通称、全日大会と呼ばれる全国大会だ。

高校野球でいうところの夏の甲子園という位置づけだとわかりやすいかもしれない。全国を9ブロックに分割し、それぞれのブロックで予選会などを実施。その予選で勝ち上がった精鋭だけが出場できるのが、全日大会である。

私が所属していた日本大学三崎町は関東連盟にいたが、まず春季リーグで2位以内に入らなければ、全日大会出場をかけた予選会に出場すら許されなかった。さらに予選会を出場しても、東京六大学や東都と言った他のリーグの強豪校から勝利しなければならなかった。

高校野球のように49地区ごとにトーナメントを開催することはないが、各ブロックで熾烈な戦いが行われており、真の強豪が集まるのが全日大会なのだ。

この全日大会に負けず劣らず、同じく全国大会と位置付けられているのが、9月に開催される清瀬杯 全日本大学選抜準硬式野球大会、通称、清瀬杯と呼ばれるものだ。初代会長である清瀬三郎氏の名前から命名された大会は、高校野球でいうところのセンバツだと思ってほしい。

全日大会同様、9ブロックそれぞれから出場チームが選出。選ばれた学校同士が日本一をかけて戦うのが清瀬杯だ。その選出方法は各地区によって異なるが、私がいた関東地区の場合、厳密に決められていた。

予選は3段階に分けられた勝ち抜けトーナメント。勝ち上がった学校から出場権を掴むが、ここがやや難しい。

2021年の全日予選で全日大会への出場を決めた専修大

<1次トーナメント>
参加校:各リーグの1位校+関東大会準優勝校の計6校
※関東大会優勝校は予選免除。
※優勝ないし準優勝校が1位、2位校の場合は、次点のチームが出場
→関東大会優勝、準優勝校がリーグ戦1、2位の場合は、3位校が出場できる
勝利校:全日大会出場(3校)
敗退校:2次トーナメントへ

<2次トーナメント>
参加校:各リーグの2位校+1次トーナメント敗退3校の計8校
※1ブロック4校、計2ブロックに分割
各ブロックの優勝校:全日大会出場(2校)
各ブロックの準優勝校:清瀬杯出場(2校)
各ブロックの初戦敗退校:敗者復活トーナメントへ(4校)

<敗者復活トーナメント>
参加校:2次トーナメント各ブロックの初戦敗退校
勝利校:清瀬杯出場(2校)
敗退校:全日、清瀬杯の出場権なし(2校)

関東はこのトーナメントを6月の1か月間かけて開催する。参加全12校のうち、10校には全国大会の切符が手に入るチャンスがあり、私のチームは2、3年の時に1位校で予選会に参加したが、2年時は敗者復活トーナメント、3年時は2次トーナメントで清瀬杯の切符を掴むことができた。

数字だけ見ればチャンスが多いように見えるが、各リーグで結果を残した猛者しかいない。1勝するのも簡単ではない。だからこそ、全国出場が決まれば大喜びだし、負ければ涙だって流す。

全日大会、清瀬杯でも同じで、勝てば本気で笑い、負ければ本気で悔しがる。特に全国大会を集大成と考える4年生たちは、学生野球を終える瞬間がやってくる。準硬式は自分たちで考えて行動をする分、苦労も面白さも経験する。それだけではなく、これまでの野球人生にかけてきた分だけ、感情表現は自然と大きくなる。

話を戻すと、高校野球のような熱い戦いができるかというのは、準硬式でも十分できる。もちろん硬式野球でも、熱量や高いレベルでプレーすることができる。ただ学生主体だったり、学業との両立など、野球に本気で取り組みながら、他のことも力を注げるが準硬式だと、改めて伝えたい。

取材・文/田中 裕毅(準硬式野球評論家)
小学3年生から中学生までは軟式野球。高校での3年間は硬式野球をプレー。最後の夏は控え捕手でベンチ入りを果たす。
大学から準硬式野球で3年間プレー。大学2年、3年生のとき、チームは清瀬杯大会に出場し、自身はベンチ入り。さらに3年生の1年はチームの主務として、選手登録やリーグ戦運営に携わる。特に春季リーグはリーグ委員長として、試合日程の調整をはじめとした責任者を任される。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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