プロ野球の開幕から2ヶ月が経過した。セ・パ交流戦も目前に控え、すでにオールスターゲームのファン投票も開催されており、連日、中間発表が行われている。
そのなかで注目を集めているのが、セ・リーグの遊撃手だ。5月23日の発表時点でトップは守備が売りの矢野 雅哉内野手(広島/育英)で、2位が木浪 聖也内野手(阪神/青森山田)、そして森 敬斗内野手(DeNA/桐蔭学園)、泉口 友汰(巨人/大阪桐蔭)、村松 開人(中日/静岡)と続いている。
このなかで規定打席に到達しているのは矢野ただひとり。そんな矢野は華麗な守備でチームを救っているが、打率.190は規定打席到達者のなかでワーストと苦しんでいる。
木浪は小幡 竜平内野手(延岡学園)が離脱したこともあり、現在はスタメンでの起用が続いている。しかし36試合の出場で打率.223と低調だ。森は開幕スタメンを勝ち取り、飛躍を期待されたが、打率1割台と低迷。4月26日に登録を抹消され、現在もファームで汗を流している。
大阪桐蔭、青山学院大、NTT西日本と強豪を渡り歩いてきた泉口は今年が2年目。昨年は66試合の出場で打率.201と思うような成績を残すことができなかった。しかし、今年は38試合の出場で打率.270、2本塁打、10打点、得点圏打率.364と躍進。坂本 勇人内野手(光星学院)が三塁にコンバートされた後、門脇 誠内野手(創価)が掴んだかに見えた遊撃手のレギュラーの座を奪いつつある。
また、巨人の遊撃手部門は門脇がノミネートされているが、それを差し置いて泉口が得票を得ている。それは直近の活躍がファンに認知されているからに他ならない。この活躍が続けば、さらに得票を伸ばす可能性も十分にあり得る。
村松は「7番・遊撃」で開幕スタメンを務めたものの、打撃絶不調。20試合で打率.138と調子が上がらず、右脇腹を痛めて登録を抹消された。不振と故障離脱が重なってしまっては、得票数が伸びないのも無理はない。
ヤクルトは長岡 秀樹内野手(八千代松蔭)が本来であればレギュラーであり、オールスターゲームでもファン投票の大本命だった。しかし、開幕から不振にあえぎ19試合で打率.194と低迷。さらに右膝後十字靭帯損傷の大怪我を負って離脱した。不振と怪我に見舞われた村松と同様のパターンだ。ここまでファームでも試合への出場はなく、リハビリを進めている段階。早くても前半戦の終了間際の復帰と見られており、ここから得票数を伸ばすことは考えにくく、オールスターゲームへの出場は難しそうだ。
絶対的な存在がいないなか、矢野がこのまま逃げ切るのだろうか。それとも木浪や泉口がここから得票を伸ばしていくのだろうか。7月1日の最終結果発表が楽しみだ。