ロッテが5月19日時点でパ・リーグ最下位と苦しんでいる。5位の楽天とも2.5ゲーム離されており、もうこれ以上は負けられない状況だ。特に打線が深刻で、91得点(1試合平均2.45点)、打率.206、出塁率.270、長打率.294はいずれもリーグワースト。打線の低迷が著しい。
昨シーズン、貧打に苦しみ最下位に終わった西武は、年間を通じて350得点(1試合平均2.47点)、打率.212、出塁率.274、長打率.301だった。この数字を見ると、今のロッテの苦しさがいかに深刻かが伝わるのではないだろうか。
現在の打線を見ると、ソトは打率.205、6本塁打、ポランコは打率.193、4本塁打と寂しい数字。ソトは5月18日の日本ハム戦で9回2死から起死回生の同点ホームランを放つなど長打力は健在だが、現在36歳。ポランコも33歳と、大きな上積みは見込みにくい。
しかし、若手に目を向けると面白い存在がいる。その筆頭が寺地 隆成(明徳義塾)だ。高卒2年目の若武者は、ここまで23試合に出場し、打率.254、2本塁打と結果を残しつつある。スタメン起用17試合は、捕手の中ではチーム最多。佐藤 都志也(聖光学院)が戦列を離れていた時期があったとはいえ、高卒2年目の捕手が正捕手の座を掴みかけている。
そして、ドラフト1位ルーキーの西川 史礁(龍谷大平安)。開幕から5試合連続安打と好スタートを切るも、壁にぶつかり二軍落ち。再昇格後も本来の力を発揮しているとは言い難いが、ソトが同点ホームランを放った18日の試合では、延長12回裏に代打で登場し、サヨナラタイムリー2ベースを放ち存在感を見せた。二軍では打率.423と無双していただけに、ポイントさえ掴めば爆発してもおかしくない。
その他では、安田 尚憲(履正社)、藤原 恭大(大阪桐蔭)といった高卒ドラフト1位コンビ。山口 航輝(明桜)や山本 大斗(開星)といったスラッガー候補ら、楽しみな存在は多い。開幕一軍スタートながらすぐに登録を抹消された安田は、5月15日に一軍へ復帰。翌16日に今季初のスタメン起用を受けると、2試合連続安打。さらに、惜しくもファウルとなったがサヨナラタイムリー未遂もあり、調子は悪くなさそうだ。
角中 勝也(日本航空石川)や中村 奨吾(天理)といったベテラン勢も一軍にいない今、若い選手にとってはレギュラーを掴む大チャンスと言っても過言ではない。寺地や西川といったニューフェイスはもちろん、ここ数年期待されていた安田や藤原も、今こそ存在感を示し、チームを引き上げることに期待がかかる。