【仙台六大学】東北工業大 vs 東北大
5回に決勝ソロを放った東北工業大・齋藤陽也
東北工業大が初戦突破!1番・齋藤陽也が指揮官も認める長打力を発揮し決勝ソロ
<仙台六大学野球秋季新人戦:東北工業大6-2東北大>◇3日◇1回戦◇東北福祉大
3日に開幕した仙台六大学野球秋季新人戦。1回戦第2試合では東北工業大が東北大を6対2で下した。2点差を追いつかれた直後の5回、1番・齋藤 陽也内野手(1年=名取)のソロ本塁打などで2点を奪い勝ち越す。6回には2番・菊田 空良捕手(1年=仙台育英)が2点適時二塁打を放ち、試合を決定づけた。
今秋のリーグ戦で6試合、21回を投げ防御率3.00と活躍した先発・對馬 温斗投手(1年=仙台城南)は、5回途中2失点で降板。中盤、東北大に流れが傾きかける場面もあったが、6回から登板した3番手・佐藤 大拓投手(2年=仙台)が4回1安打無失点と好救援し、反撃を許さなかった。
決勝ソロを放った齋藤陽は本職の遊撃ではなく一塁でスタメン出場。目黒 裕二監督は「初球から思い切り打ってくれるし、遠くに飛ばす力は1年生の中で一番」と積極性と長打力を評価しており、チームを勢いづけるため1番で起用した。175センチ、72キロと大柄ではないが打撃が売りの右打者で、今秋のリーグ戦でも1番に座った試合があった。
「最初の小さな流れをつくるのが1番バッター」との考えで初回の1打席目を大切にしているが、この日の第1打席は7球粘った末に遊ゴロ。第2打席も内野ゴロに打ち取られた。同点で迎えた第3打席、追い込まれてからはチーム方針に従いバットを短くもったものの、「自分らしくスイングしよう」と強振。打球は放物線を描き、左翼フェンスを越えた。
東北工業大は1年生野手が早くもリーグ戦で躍動している。菅井 惇平外野手(1年=日本ウェルネス宮城)は打率.385(39打数15安打)を記録してベストナインに輝き、菅原 琉生外野手(1年=八戸学院光星)は宮城教育大1回戦で満塁本塁打を放ったほか、守備や足でも貢献した。
齋藤陽は派手さこそないとはいえ、7試合に出場して打率.222(9打数2安打)をマーク。同学年の選手が自分以上に活躍すると「うらやましい」と感じた一方、「良い刺激にもなって、練習のモチベーションを保てた」。来年、より目立つ存在になるため、まずは新人戦で暴れたい。「(この日の第1打席は)緊張で消極的になってしまった。明日は初回の初球から打ちにいく」と準決勝に向け意気込んだ。
東北工業大は今春の新人戦では準決勝で仙台大を破り、準優勝に輝いた。躍進の1年を優勝で締めくくるべく、まずは4日の東北福祉大戦に臨む。
東北大は先発した右腕・越智 晴紀投手(1年=県立船橋)が4回2失点ながら、最速137キロの直球を主体としたまとまりのある投球を披露するなど、リーグ戦経験のない、または少ない選手が次々とアピールした。今年のチームを支えた4年生が抜け、チーム内競争は再び激化することとなりそうだ。
(取材=川浪康太郎)