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秋の埼玉シードは投票式で決定!?浦和学院、花咲徳栄の強豪の布陣は?

2023.09.20


秋季埼玉県高校野球大会の組み合わせ抽選会が19日に行われた。埼玉では毎年秋の上位シード4強は各校の投票により選ばれる。まずはそのシード決め投票の結果では、第1位・浦和学院36票、第2位・花咲徳栄34票、第3位・昌平25票、第4位・山村学園18票となり4校のシードが確定。浦和学院が第1シード、花咲徳栄が第2シード、昌平山村学園は抽選の結果、昌平浦和学院の山、山村学園花咲徳栄の山に入った。なお、次点は大宮東で8票であった。

浦和学院の初戦の相手は春日部東。新チームとなっても、夏甲子園で準優勝した仙台育英(宮城)の150キロトリオから19安打を放った打線は健在。石田 陽人内野手(1年)、月山 隼平内野手(2年)、西田 瞬内野手(1年)、三井 雄心(2年)の内野陣はそのまま残っている。地区予選の大宮南戦でも触れたが、心配された外野も垣内 凌外野手(1年)や浅田 健輔外野手(2年)、河原 應吾外野手(2年)など、どこからでも長打が飛び出す。疲労骨折で出遅れていた主将・三井も復帰し打線は万全の状態。森監督も旧チームのこの時期の状態と比べても新チームは打線の状態が良いと太鼓判を押す。

問題は投手陣だが、今春、登板経験のある鈴木 由馬投手(2年)や美濃川 湊投手(2年)に1年生の岡部 修弥(1年)に、187センチの技巧派右腕・山浦 一心投手(2年)とバリエーションは豊富だ。主将・三井は「主将として言葉で伝えるより、プレーで引っ張ります。初戦の入りを大事にしていきたい。このチームのウリはチームとしての経験値。このチームは個性が強いので押せ押せムードの時は明るいムードでできるんですが、劣勢の場面に立った時に静かになってしまうので、逆境をはね返すような雰囲気になっていけたら負けないチームになるのではと思う」と語り、森監督も「昨秋の対戦相手と比べたら、とは思いますが、それでも上尾、西武台、叡明には注意したい。打線には自信を持っているので、あとはバッテリーかな。いずれにせよ秋は投手力なのでまずは守備でリズムを作っていきたい」と続けた。

花咲徳栄の初戦は春日部工が相手。花咲徳栄上原 堆我投手(2年)、和久井 大地投手(2年)、岡山 稜投手(2年)と完投能力のある本格派右腕が3枚いる。打線も生田目 奏外野手(2年)や目黒 亜門外野手(2年)など左の巧打者がズラリと並ぶ布陣に、主砲・石塚 裕惺内野手(2年)が復帰するのは大きい。「全体的にまとまっているとは思う。打線は左が多いが、そこに石塚のケガが癒えて4番に入り、投手陣も右3枚が注目されるが他にも額川や今井など左もいる」と村上部長も、投手力に自信を持っていた。打者は巧打者タイプが多いが、本来の花咲徳栄は1点ずつ取る野球で、今後の低反発バット導入を見据えると良い選択肢かと思われる。

昌平の初戦の相手は南稜。大会直前に黒坂監督が解任となり、岩﨑監督代理が今大会の指揮を取る。新人戦まで黒坂監督が指揮を執っていただけに急転直下だが、投手陣は佐藤 立羽投手(2年)、山根 大翔内野手(2年)、石井 晴翔投手(2年)と旧チームのメンバーがそのまま残る。打線も齋藤 陽貴捕手(3年)、金子 晄也内野手(3年)という大黒柱は抜けたが、山根、櫻井 ユウヤ内野手(1年)、渡辺 暁斗内野手(2年)など旧チームの経験者は残る。「シードに選んで頂いて感謝します。我々はこれから甲子園にチャレンジして行こうという学校なので一戦一戦、戦いたい。投手陣は地区予選で登板した古賀も含め横一線なので状態を見極めて臨みたい。(前監督の)黒坂がやっても私がやってもやることは変わらないので。選手達は地区予選でも自分のやるべきことに集中して野球に臨んでくれた。打線も今夏の経験者達に引っ張ってもらいたい。齋藤の穴も白坂や飯田が思っている以上に、この夏伸びてくれた。選手の良いところを引き出せたら」(岩﨑監督代理)と、不安もあるが、投打に今夏の経験者がいるだけに大きく揺らぐことはないであろう。

そして、山村学園の初戦は伊奈学園が相手。山村学園は投手陣に西川 歩投手(2年)、中嶋 瑞樹投手(2年)、青木 孔志内野手(2年)と旧チームのメンバーが残る。西川は地区予選で6回参考ながらノーヒットノーランを達成したのも記憶に新しい。
「今年は完全な投高打低です。失点が計算できるのとバットも変わるので。ただ野手では一発長打はありませんが、横田 蒼和(1年)、田中 大貴(2年)、藤原 将輝(2年)などには期待しています」と、岡野監督は謙遜するが、打線も横田や田中、藤原など昨秋関東ベスト8のスタメンも残り侮れない。

なお、今大会も夏同様に3回と7回に3分間の給水タイムを設ける(※悪天候などで大会運営を急ぐ場合などイレギュラー有り)という埼玉独自今大会のローカルルールも実施する。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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