【仙台六大学野球】東北学院大 vs 東北大
8回に同点打を放つ東北大・大澤亮
東北大、逆転勝ちで今秋初白星!正捕手・大澤亮が執念の同点打、134球完投の佐藤昴も「大澤様様」
<仙台六大学野球秋季リーグ:東北大3-2東北学院大>◇17日◇第4節1回戦◇東北福祉大
東北大が逆転勝ちで今秋初白星を手にした。2点を追う7回、相手のバッテリーミスの間に得点し1点を返す。8回には6番・大澤 亮捕手(4年=秩父)の適時打と、7番・原口 和弥内野手(3年=県立浦和)の犠飛が飛び出し逆転。最終回は8回まで力投を続けてきた先発・佐藤 昴投手(2年=仙台一)が三者凡退に抑え、価値ある1勝をつかんだ。
8回、先頭の4番・鈴木 杜朗内野手(3年=仙台二)がこの日チームで初めての長打となる二塁打を放ち出塁する。その後無死二、三塁となり、打席には大澤。2ボール1ストライクからの4球目、変化球に食らいついた打球は一、二塁間を抜けた。「うしろにもいいバッターがいるので、とにかくつなぐ意識で打席に立った」。続く原口も最低限の仕事を果たし、試合をひっくり返した。
大澤は今夏、大学院入試の対策に専念するため約3週間チームを離脱。開幕節の東北福祉大戦はベンチを外れ、第2節から復帰した。東北福祉大2回戦は敗れたものの、タイブレークまで持ち込み強敵を追い詰めた。大澤は仲間の奮闘を外から見守り、「夏の暑い中、チームのみんなが練習してきたことが伝わってきた」と頼もしさを感じていた。
大澤にとっては大学ラストシーズン。2年春から正捕手を務め2度ベストナインに輝くも、昨秋と今春は打率1割台と打撃不振に苦しんだ。それだけに、今秋に懸ける思いは人一倍強い。「この2シーズンは打撃で貢献できなかった。チームのために打てるように、特にチャンスの場面では今日みたいに打てるように、頑張りたい」。帰ってきた正捕手がチームを目標のAクラス(3位以内)入りに導く。
2失点完投勝利をやってのけた佐藤は「今日は大澤さんを信じてほとんど首を振らなかった。同点打も打ってくれて、大澤様様です」と感謝した。大澤が離脱していた期間はバッテリーを組む機会が少なかったため、今節に向けて密にコミュニケーションを図ってきたという。
この日は初回にわずか6球で先制を許し、5回は死球をきっかけに失点し追加点を与えた。苦しい展開ながら6回以降は持ち味の打たせて取る投球が光り、味方の援護を待った。最終的に134球を投じて完投。試合後は「やっとチームに貢献できた」と胸に手を当て安堵した。
今秋は東北福祉大戦、仙台大戦でも好投するなど、ここまで24.2回を投げ防御率は1.46。「自分が崩れてしまったらAクラスには入れない」。強い自覚を持って充実の秋を過ごしている。
東北大は昨春、昨秋と東北学院大戦で1勝しながらも勝ち点を奪えていない。勝ち点奪取へ向け、18日も粘り強く勝ちにいく。
(取材=川浪康太郎)