【社会人】代表決定戦 大阪ガス vs ミキハウス
大阪ガスが快勝で日本選手権への切符を掴む
<第48回社会人野球日本選手権大会近畿地区最終予選:大阪ガス7ー2ミキハウス>◇15日◇代表決定戦◇わかさスタジアム京都
大阪ガスがミキハウスに快勝して、10大会連続26回目の本大会出場を決めた。
大阪ガスは1回、2死一、二塁から5番・清水 聖也外野手(智辯学園ー東北福祉大)の左越え2点適時二塁打で先制。さらに6番・花本 太紀内野手(東大阪大柏原ー創価大)の左前適時打で追加点を挙げる。「あれが大きかったですね」(前田 孝介監督)と初回に3点を奪った大阪ガスは、その後も試合を優位に進めた。
4回には9番・高橋 佑八捕手(龍谷大平安ー関西大)と2番・吉澤 一翔内野手(大阪桐蔭ー早稲田大)の適時打で2点を追加する。守っても先発を任された稲垣 豪人投手(日本文理ー東京農業大)が6回2失点と試合を作ると、2番手の大宮 隆寛投手(鳥取城北ー東洋大)が右横手から勢いのある直球を投げ込み、3回をパーフェクトリリーフ。後半にも加点した大阪ガスが危なげない試合運びで日本選手権最後の切符をつかんだ。
2018年に都市対抗野球を制し、日本選手権でも2019年と2021年に優勝と全国屈指の強豪である大阪ガスだが、広島・河野 佳投手(広陵出身)と西武・児玉 涼亮内野手(文徳出身)をプロに送り込んだ今年は、都市対抗野球に出場できず、悔しいシーズンとなる。日本選手権でも負ければ予選敗退のところまで追いつめられるも、がけっぷちの戦いで意地を見せる形となった。
「都市対抗を落とすのは1年間仕事をしていないようなもの。その悔しさをやり返すしかないという思いでやってきたので、良かったかなと思います」と前田監督は胸をなでおろした。
苦しんだ大阪ガスではあるが、タレントは揃っている。プロ注目の強打者である不動の4番・三井 健右外野手(大阪桐蔭ー立教大)を筆頭に、巧打が持ち味のベテラン・峰下 智弘内野手(佐賀学園ー近畿大)や龍谷大平安(京都)時代に2014年春の甲子園で優勝を経験した正捕手の高橋など、実績と実力を兼ね備えた選手が多く、本大会でも上位争いに絡める力はあるはずだ。
中でもこれから注目度を高めていきそうなのがルーキーの髙波 寛生内野手。川越東高から関西学院大に進み、188センチの長身ながら内野ならどこでも守れるユーティリティープレーヤーとして活躍してきた。
大阪ガスでは大学時代に守る機会が少なかった遊撃手としての出場が増加。打つ方でもこの試合こそ7番に降格するも、それまでは1番を打つなど、首脳陣からの期待値は高い。前田監督は「野球脳が良い」と評価しており、万能プレーヤーとして来年はプロのスカウトからも注目を集める存在となりそうだ。11月に京セラドーム大阪で行われる日本選手権では彼のプレーにもぜひ注目してほしい。
取材=馬場 遼