【南東北大学野球】福島大vs山形大
リーグ戦初白星を挙げた福島大・矢上必顕
福島大、6試合目で今秋初勝利 好救援の2年生右腕・矢上必顕がリーグ戦初白星
<南東北大学野球秋季リーグ戦:福島大8ー5山形大>◇10日◇第3週2回戦◇石巻市民
開幕5連敗中だった福島大は山形大との国立大対決を制し、今秋初勝利を挙げた。
試合は中盤まで点の取り合いに。福島大は2点を追う5回に島崎 開史外野手(4年=日立一)の2点適時三塁打で試合を振り出しに戻すも、その裏、3失点を喫し勝ち越される。それでも6回、渡部 陸人内野手(1年=南会津)のスクイズなどで6得点し逆転した。
荒れ模様だった中盤までの雰囲気を一変させたのが、5回途中から救援登板した矢上 必顕投手(2年=郡山)だ。最速136キロながら数字以上の球威を持つ直球と、空振りを奪えるスプリットなどの変化球を駆使して、9回2死まで無安打投球を続けた。
9回2死から連打を浴びるも得点は許さず、4.2回を投げ2安打1四球無失点の快投。通算10登板目でのリーグ戦初白星に、「今まで勝てていなかったので、素直にうれしいです」と白い歯がこぼれた。
今秋は初戦の東日本国際大戦で開幕投手に抜擢されるも、3回7失点と結果を残せず。初回から5失点を喫し、「流れを悪くしてしまった」。前週の東北公益文科大戦でも先発したものの、またしても試合をつくれず2.1回7失点。チームは開幕5連敗と苦しみ、痛すぎるほど責任を感じていた。
この日はここまでの2試合でつくってしまったビッグイニングをつくらないために、ストライクゾーンに球を集めて四球を減らすことを心がけていた。実際、6回以降は与四球0でテンポ良くアウトを積み重ねた。
チームにとっても矢上にとっても大きな1勝を挙げたが、「秋の先発転向に向けて長いイニングを投げられるよう、夏は走り込んできた。本音は先発をやりたい」ときっぱり。まずは与えられた役割を着実にこなし、「どんな場面でもチームを勝たせられる、絶対的エース」を目指す。
山形大は初回に佐藤 樹外野手(2年=東北学院)の適時打などで2点を先制し、先発の鈴木 陸玖投手(3年=山形南)が5回2失点と粘投するも、中継ぎ陣が踏ん張れなかった。次週までに立て直し、最下位に沈んだ今春の雪辱を果たしたい。
(取材=川浪康太郎)