【大学野球・仙台六大学】2回戦 東北学院大 vs 東北工業大
10回に決勝打を放った東北工業大・菅井惇平
東北工業大がタイブレーク制し勝ち点奪取、1年生・菅井惇平が10回決勝打を含む3安打
<仙台六大学野球秋季リーグ:東北工業大5-3東北学院大(延長10回タイブレーク)>◇3日◇2回戦◇東北福祉大
東北工業大がタイブレークまでもつれる熱戦を制した。1点を追う4回に千葉 周永内野手(1年=一関学院)の適時二塁打などで2点を奪い逆転。8回に追いつかれ延長に突入するも、10回に菅井 惇平外野手(1年=日本ウェルネス宮城)の2点適時二塁打が飛び出し、そのまま逃げ切った。
前日2日の試合は、東北学院大に登録時と異なる背番号で出場した選手がいたことから一時は没収試合(東北工業大の9対0勝利扱い)となった。一夜明け、「単純なミスの場合(監督とマネージャーの連絡ミスで、登録外選手が自チームの所属選手である場合など)には(没収試合を)適用しない」などの規定に則り、8回コールドゲーム(東北工業大の6対4勝利)に変更されたが、勝敗は変わらず、東北工業大が連勝で勝ち点を獲得した。
東北工業大の目黒裕二監督は「(東北学院大戦での2戦2勝は)記憶にない。ベンチ入りの25人全員でつかんだ勝利」と充実の表情。逆転した直後の4回途中で先発の及川 瞬投手(4年=東北)を降ろし、日野 颯太投手(4年=仙台商)、伊藤 理壱投手(2年=仙台城南)、對馬 温斗投手(1年=仙台城南)とつなぐ継投策がハマった。
中でも、5回から継投し9回まで3安打1失点と好投した伊藤は勝利に大きく貢献した。新人戦の後にセットポジションでのグラブの位置を上げたり、テークバックを小さくしたりといったフォームの微修正を行ったことで、直球の球速と精度が向上。この日は手応えをつかんでいた直球主体の投球で、最速145キロ、平均140キロ超をマークした。
最終回を締めた對馬は高校の1学年後輩。2人は中学時代に軟式野球の宮城県選抜で知り合って以来の仲で、對馬は伊藤の誘いを受け東北工業大に進学したという。對馬は野手として入部するも、7月頃から投手に転向。伊藤は「(對馬が)ピッチャーをやるからには一緒にリーグ戦で投げて、『城南リレー』で抑えようと話していた。それが叶ってすごくうれしい」と白い歯をこぼした。
1年生ながら5番に座り、10回に決勝打を放った菅井は「しっかり粘ってつなぐ」意識で打席に立ち、その打撃を体現した。入部したばかりの頃は同学年の選手に打撃で劣ると感じていたが、千葉をはじめとした好打者を参考にしながら、徐々に大学野球に適応してきた。前日の試合でリーグ戦初安打を記録し、この日は3安打猛打賞。センス抜群のルーキーが秋は大暴れの予感だ。
東北学院大はエース古谷 龍之介投手(4年=北星大付)が9回145球を投げ3失点と粘投するも、接戦を落とした。連日の悔しい敗戦で無念のスタートとなったが、秋の戦いはまだ始まったばかり。次節以降の巻き返しに期待したい。
(取材=川浪康太郎)