沖縄尚学vsコザ
戻ってきた沖尚打線
<第105回全国高校野球選手権沖縄大会:沖縄尚学9-2コザ(7回コールド)>◇1日◇2回戦◇コザしんきんスタジアム
選抜高等学校野球大会から帰ってきた沖縄尚学。春季県大会覇者の日本ウェルネス沖縄との戦いでは9回を終えて3得点。中部地区高校野球大会覇者の与勝戦でも8回まで1得点のみ(9回に2点を加え3得点)。那覇・南部地区交流大会では、豊見城南から1得点のみと、強打が鳴りを潜めていたが、夏の初戦で6回9得点のコールドゲーム。強力な沖縄尚学打線が戻ってきたと思わせる試合だった。
序盤は下位打線が爆発
沖縄尚学は2回、エラーで出塁した走者を二塁へ置いて、8番・大城 和平捕手(3年)が左前へ先制打。送球がホームに行くのを見た大城和は二塁を陥れた。続く9番・伊波 慶治朗投手(3年)の当たりは、中前へ抜けようかというところで、コザの二塁手、喜瀬 恵達内野手が懸命に捕球したが、一塁はセーフ。この間に二走が一気に生還した。
沖縄尚学は4回、5番・川満 渚生内野手(3年)が右翼の頭上を越える二塁打で出塁。犠打できっちり三塁へ送ると、7番・大城 龍紀外野手(3年)が左前への適時打。さらに大城和、伊波にも連続長短打が飛び出して3点を追加した。
4回までヒット僅か1本に抑えられていたコザは5回、6番・宮城 康平が右中間へ運ぶ二塁打で反撃のチャンスをつかむ。ここで7番・山口 央祐の当たりは二塁手後方へ。沖縄尚学・佐野 春斗内野手(3年)も懸命に追ったがクラブに僅か届かず。二走は打球が落ちたのを見て三塁へ向かったがここは間一髪、沖縄尚学・糸数 幸輝外野手(3年)がストライク送球でアウトにした。
流れを少しつかみかけているコザは6回、1番・比嘉 慎之佑と3番・吉田 夕槻の連続長短打で1死一、三塁。続く桃原 賢人が粘りに粘って四球を選び満塁とした。ここで沖縄尚学ベンチは伊波を諦めエース東恩納 蒼投手(3年)を投入。しかし5番・小浜 守龍に中前へ運ばれるなど2点を失った。
風を切り裂く特大ホームラン
3点差に詰め寄られた沖縄尚学はその裏、安打と相手のエラー、犠打で三塁へ進めて1番・知花 慎之助外野手(3年)がセンターへ犠牲フライ。さらに2番・糸数、3番・玉那覇 世生外野手(3年)に連続長短打が出て、打席には主砲の仲田 侑仁内野手(3年)。コザバッテリーは1球目、2球目と低めを上手く使って仲田のタイミングをずらしていたが、3球目、やや甘く入った球を思い切り振った打球は、風をものともせず左翼席へ。「どこまで飛んだんだ?」と、周囲にいた沖縄県高校野球連盟関係者も驚嘆する特大の3ランホームランが飛び出し7点差とした。
やや制球が定まらない東恩納も、最後は注文通りの二併殺に斬りゲームセット。
6イニングの攻撃で14安打を集中させた沖縄尚学が、初戦を飾った。
(記事:當山 雅通)