試合レポート

東海大菅生vs関東一

2023.04.18

延長10回タイブレークの激闘!関東一 衛藤の決勝二塁打で秋優勝の東海大菅生を破る

東海大菅生vs関東一 | 高校野球ドットコム
4回に、貴重な3ランを放って本塁へ向かう修徳・村山君

<春季高校野球東京都大会:関東一6ー5東海大菅生(延長10回タイブレーク>◇17日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子
 

 秋春連覇を目指す東海大菅生と、春季大会3連覇を目指す関東一という実力校同士の対戦は、延長タイブレークの激闘になった。

 東海大菅生は1回、2つの四球に3番・北島 蒼大捕手(3年)の犠打と4番・酒井 駿輔外野手(3年)の左犠飛で1点を先制。2回も四球と遊失による1死一、三塁のチャンスで、9番・日當 直喜投手(3年)の遊ゴロで1点を追加。いずれも無安打で2点をリードした。

 投手をつないでいく関東一に対し、東海大菅生はプロ注目のエース・日當が力投する。4回、関東一は4番・高橋 徹平内野手(2年)の二塁打などで2死満塁のチャンスを迎えるが、日當がしっかり抑える。ピンチは招くが、得点は与えないというのは、ある面、日當らしい投球でもある。しかしこの試合では、やや様子が違った。

 7回、関東一は、6番・松山 慈桜外野手(3年)の二塁打などで1死二、三塁とし7番・倉品 そうたろう外野手(3年)の右前適時打で1点差に迫り、8番・大村 勝星内野手(3年)の中前安打で同点に追いついた。けれども、倉品も大村も二盗を試みたが、いずれも東海大菅生の捕手・北島の強肩に阻まれた。

  関東一の猛攻は続き、8回は2死二、三塁から4番・高橋の中前安打で2人が還り、2点を勝ち越した。

 追い込まれた東海大菅生だが、8回に1死二、三塁から5番・大島 健真内野手(2年)の中前安打で2人が還り、同点に追いついた。けれども大島健は二盗を試みたが、今度は関東一衛藤 冴仁捕手(3年)の強肩に阻まれた。試合は投手だけでなく、バッテリーを中心とした総力戦の様相を呈してきた。

 9回は日當が関東一打線を三者三振に抑える。日當はこの試合、他の変化球を磨くため、一番の武器であるフォークボールをほとんど投げないでいた。ただし9回はその封印を解いて、フォークボールを中心にして抑え込んだ。

 試合は延長戦に突入。無死一、二塁から始まるタイブレークになった。10回表、関東一は2死二、三塁の場面で3番・衛藤を迎える。衛藤は変化球を想定して初球から打ち、左翼への二塁打を放ち、2人が生還した。「チャンスで回ってきたので、打ってやろうと思いました。球の芯に当たりました」と衛藤は言う。

 その裏、東海大菅生は四球も含めて2死満塁となり、4番・酒井を迎える。酒井は内野安打を放ち1人が還ったが、一塁走者が二塁でオーバーランし、激戦は終わった。

 10回を投げぬいた日當だが、7回、8回の失点が響いた。「配球がアバウトになってしまいました。いまの実力はまだまだです」と反省する。夏までの限られた時間だが、変化球を増やすなど、さらに実力を上げることに意欲的だ。また上田崇監督は、「バントや走塁など、夏に向けての課題はみえてきました。今日は気持ちの面で向こうが勝っていました」と語る。夏はどのようなチームに成長しているか、期待したい。

 関東一は2回戦の明大中野戦に続き、好投手を後半で攻略した。「しっかり食らいついていきました」と、米澤貴光監督は語る。失策が点に結び付くなど、今までのチームに比べると、やや精度が落ちる面はある。けれどもどんな好投手にも向かっていく姿勢は、さすがだ。秋は2回戦で敗れたが、関東一が従来のすごみを取り戻しつつある。準々決勝は、エース・原田 翔奈冬投手(2年)を中心に勢いに乗る聖パウロ学園と対戦する。

(取材=大島裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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