桐朋vs聖徳学園
桐朋打線が11得点の爆発 コールドで第1シード・日大三の挑戦権掴む
<第104回全国高校野球選手権西東京大会:聖徳学園11-4桐朋>◇10日◇2回戦◇府中市民
[stadium]府中市民球場[/stadium]で行われた第1試合。聖徳学園と桐朋との一戦。聖徳学園は右横手投げの技巧派・千賀悠矢、桐朋は直球に勢いのある斉藤叶人と両校ともにエースが先発した。
試合は初回から動いた。1回表、桐朋は四球と送りバントで無死二塁のチャンスを作ると3番斉藤の右前安打で先制に成功する。その後単打と二塁打で1点を追加し、四球で満塁のチャンスを作ると、7番森井翔太郎、8番川上太輔の連続タイムリーで得点し、初回に5点を先制する。
いきなり追いかける展開となった聖徳学園は先頭の1番佐藤が四球で出塁すると、送りバントでランナーを進め、3番山本祥吾の右中間を抜ける二塁打ですぐさま1点を取り返すと、相手の牽制悪送球によって三塁に進み、4番川崎元暉の内野ゴロの間にさらに1点を加えた。
3点差に詰め寄られた桐朋は2回、先頭の3番斉藤が四球で出塁。続く4番北山雄也が左中間の真ん中を抜ける二塁打ですぐに1点を取り返すことに成功する。
この勢いに乗った桐朋は相手の失策と内野安打で1点を加え、なおも無死一、三塁のチャンスで前の打席タイムリーを放っている7番・1年生の森井に打席が回る。森井が追い込まれながらも5球目を打つと打球は右越え3点本塁打となり、初回に続き2回にも5点を加えた。
「相手投手が右の横手投げということで、練習通り全部の球を追いかけずに、外のコースに絞って粘り強く行こうと選手に伝えた」という田中隆文監督の言葉に選手が応え得点を加えることに成功した。
点差を広げられてしまった聖徳学園は4回、1死から四球でランナーを出し、7番石川 仁が右中間に二塁打を放ち1点を取り返すと、二死三塁で9番野嶌孝太にも適時打が生まれた。
2回途中からマウンドに上がった聖徳学園の2番手・守山将太は長身から角度のある直球と緩急のある縦の変化球をうまく使い桐朋打線を0点に抑えていたが、5回2死から1番富田涼輔が中前安打で出塁すると、すかさず盗塁に成功し、2死二塁のチャンスを作る。ここで打席の2番寺沼樹が左中間を抜ける三塁打を放ち11点目が入った。
聖徳学園の守山は「追い込んでからストレートが甘くないってしまい、ランナーを出して、次のバッターにも甘く入った球を打たれた」と話した。
何としても得点しコールド成立を阻止したい聖徳学園だったが、4回以降桐朋の斉藤を打ち崩すことができず、7回裏、代打攻勢に出るも反撃及ばず、11―2で桐朋が勝利した。
敗れた聖徳学園の中里英亮監督は「今日は1、2回に限ります。3年生の千賀はあそこまで崩れたことはなかったのですが、試合経験が少なかったり、重圧があったのかなと思います」と話した。
一方勝利した桐朋の田中監督は「初戦突破して第1シードの日大三とやれるということで、とにかく思いっきりやってほしい」と次の試合に向けて語ってくれた。
(取材=大島 裕史)