日大山形で甲子園を沸かせた150キロ右腕・滝口(東北福祉大)の復活なるか
投手に目を向けると、3年ぶりに全国の舞台に登場する東北福祉大の堀越 啓太(花咲徳栄)に熱い視線が集まりそうだ。
高校時代から速球派投手として名を馳せドラフト候補にも挙げられていたが、プロ志望届けを提出するも指名漏れ。その屈辱をバネに大学入学後はさらなる出力増大を実現した。松坂 大輔ばりのダイナミックなフォームから繰り出されるストレートは常時150キロを超え、練習では160キロ超えを記録するという破格の排気量を誇る。力むと抜け球が増え制球が定まらない難点はあるが、小さくまとまらず、いずれは大先輩の大魔神・佐々木主浩のような世界規格のクローザーとしてマウンドに君臨する姿を見てみたい。
東北福祉大は堀越の他にも櫻井 頼之介(聖カタリナ学園)という本格派エースがいて、痩身から投げ下ろす切れ味抜群のストレートとスライダーを武器にリーグ戦優勝の立役者となった。こちらも掛け値なしのドラフト上位候補。しかし、同大にはもう一人筆者が密かにその動向を追っていたピッチャーがいる。それは滝口 琉偉(日大山形)だ。
この名前を見て思い出した方も多いだろう。滝口は高校時代、2021年夏の甲子園でリリーフエースとして活躍し、最速150キロの速球を披露して16強入りに貢献した。堀越同様プロ志望届けを提出したが指名漏れの憂き目にあう。大学進学後は右肘の痛みや制球難に悩まされ、リーグ戦での登板は3年秋にわずか2.1回にとどまっていた。4年春、滝口は開幕2戦目からベンチ入りし、4月26、27日の東北学院大戦では連日好救援を披露。 特に27日は自身初の回跨ぎを経験し、自己最速に迫る153キロを連発するなど圧巻の投球を示した。
ショートアームのテイクバックから放たれる滝口のストレートは、バッター目線では出所が見づらく、球質・球筋とも十二分にプロで通用するポテンシャリティーがある。滝口の評価ポイントは、その投球だけでなく、マウンド上での振る舞いにもある。
打者を三振に取った際やイニングを抑えてベンチに戻る際に見せる派手なガッツポーズは、相手への威圧ではなく、自軍への鼓舞としてチームを盛り上げるハートフルで熱情的な姿勢の表れで、これもプロ向きの性格、特質といえよう。怪我の影響と制球難を克服し、この全国の檜舞台でドラマティックな「復活劇」を演じることができるか。念願のドラフト指名のゲートウェイまではもう一歩だ。
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