【日本シリーズ】黄金時代を予感、阪神38年ぶりの日本一!森下がルーキー最多打点、近本がMVP<第7戦>
<日本シリーズ:阪神7―1オリックス>◇5日◇第7戦◇京セラドーム大阪
阪神・岡田彰布監督が、京セラドーム大阪で5度宙に舞った。3勝3敗で迎えた最終戦、オリックス相手に阪神打撃陣が奮起して圧勝。38年ぶり2度目の日本一を決め、59年ぶりの関西シリーズを制した。
ノイジーが4回に先制3ランを放つと、5回には今季阪神が得意とした「つなぎの野球」で3得点。中盤で勝負を決めた。
5回の4点目と9回の7点目の打点を挙げたのは、ルーキーの森下 翔太外野手(東海大相模出身)。これで今シリーズ7打点となり、過去1962年の岩下光一(東映=現・日本ハム)、1981年の原辰徳(巨人)、1982年の上川誠二(中日)、2010年の清田育宏(ロッテ)の4人がマークしていたルーキーの日本シリーズ最多6打点を抜いて、新記録を樹立した。
森下は22年ドラフト1位入団選手だが、この日の阪神のスタメンにはドラフト1位が4人いる。日本シリーズMVPを獲得した1番・近本 光司外野手(社高出身)は2018年1位、4番・大山 悠輔内野手(つくば秀英出身)は2016年1位、7番・佐藤 輝明内野手(仁川学院出身)は2020年1位。佐藤はやや不調で打順が落ちているが、本来なら中軸に座るスラッガーだ。阪神の日本一打線は、「ドラフト1位」戦士が引っ張っていると言っても過言ではない。フロントのドラフト戦略がしっかり実を結んでいる。
今年、近本は28歳、中野 拓夢内野手(日大山形出身)は27歳、大山は28歳と20代後半で、森下は23歳、佐藤は24歳とまだ20代前半。38年前の1985年の時、主軸だった真弓 明信が32歳、掛布雅之が30歳、当時の岡田監督が28歳になる年だったことを考えた時、今年の「トラ打線」の主力の方が若い。
1番・近本が.483、2番・中野が.320の打率をマークした。3番・森下がルーキー最多の7打点をマークすれば、4番・大山は第4戦でサヨナラ打を放って勝負強さを発揮した。シーズンだけでなく、30歳未満の主力が日本シリーズでも躍動。その姿は阪神の「黄金時代」到来を予感させた。
2023年は、伝統を誇る阪神球団の新たな時代の「元年」となるかもしれない。