【日本シリーズ】高校時代「甲子園に届かなかった」オリックス主砲、聖地で躍動する
<日本シリーズ:オリックス5-4阪神>◇31日◇第3戦◇甲子園
甲子園に「飢えていた」オリックスの選手が、高校野球の聖地で躍動した。
0対1で迎えた4回に、頓宮 裕真捕手(岡山理大附出身)がバックスクリーン左へ同点弾を放つと、5回には2死一、二塁から宗 佑磨内野手(横浜隼人出身)が右中間への2点適時二塁打を放って突き放した。ほとんどが阪神ファンで埋め尽くされた甲子園を黙らせる活躍を見せた。
頓宮も宗も、高校時代は甲子園に縁がなかった。頓宮は岡山理大附時代に夏の岡山大会決勝まで進んだが敗戦。甲子園まであと1歩のところで届かなかった。横浜隼人時代に、故障にも泣いた宗は、最後の夏は神奈川大会準決勝で涙をのんでいる。
対する阪神は甲子園を本拠地としているが、オリックスナインにとっては1軍の甲子園でプレーするのは交流戦のみ。頓宮は今年6月の交流戦で阪神・湯浅 京己投手(聖光学院)から本塁打を放っている。日本シリーズの大舞台でも、この甲子園でまたも価値ある1発を放ったことになる。
日本シリーズ第3戦オリックススタメン
(中)中川 圭太(PL学園出身)
(三)宗 佑磨(横浜隼人出身)
(右)森 友哉(大阪桐蔭出身)★
(一)頓宮 裕真(岡山理大附出身)
(二)ゴンザレス
(遊)紅林 弘太郎(駿河総合出身)
(捕)若月 健矢(花咲徳栄出身)★
(左)廣岡 大志(智辯学園出身)★
(投)東 晃平(神戸弘陵出身)
(★は甲子園経験あり)
この日のスタメンでは甲子園経験者は3人。先発の東も甲子園のマウンドは2軍戦で経験があるとはいえ、1軍では初マウンドだった。しかし自分を見失うことなく、5回を1失点に抑え見事にチームに勝利をもたらした。
宗にとっては、この適時打が日本シリーズ初安打。聖地で本来の打撃を取り戻したことになる。7回途中からリリーフ登板した宇田川 優希投手(八潮南出身)は、回またぎとなった8回も阪神の反撃を食い止めた。宇田川もまた、高校時代は甲子園に縁がなかった1人だ。
甲子園の初戦に勝利したオリックス。聖地を「味方」につけた勢いで、甲子園で一気に日本一を決めにいくのか。