試合レポート

【愛知】準決勝 大府 vs 日本福祉大付

2023.08.18


大府が自信を持った戦いで日本福祉大付にコールド勝ちで県大会進出決める

<愛知秋季高校野球知多地区予選:大府7-0日本福祉大付(7回コールド)>◇17日◇準決勝◇阿久比スポーツ村

甲子園では、夏の選手権ベスト8を決める戦いが行われているなか、愛知県では既に新チームの秋季県大会を目指す、1次地区予選が始まっている。15チームが出場し、5校が県大会進出となる知多地区では、本選トーナメントの3回戦(準決勝)が行われた。

これで勝てば、まずは県大会進出を決めることになるだけに、大事な戦いとなる。大府と、日本福祉大付という、この地区の有力校同士の戦いとなった。大府は、この夏は優勝した愛工大名電を9回、アウトあと1つというところまで追い詰めながら逆転負けという悔しさを味わった。それでも、私学4強と対等の戦いができていることにチームの力を感じさせた。

一方、日本福祉大付はこの夏は、もう1つ結果を出せなかっただけに、新たな気持ちでの新チームのスタートとなった。「早くからの新チームのスタートとなってしまって、どういう形で始めて行こうかと考えていました(苦笑い)」と、山本常夫監督も語っていた。そんな両校の対戦である。

ここまで、大府大府東知多翔洋を下しての進出。日本福祉大付半田農東海樟風をいずれもコールドで下しての進出だ。

大府は蛭川投手、日本福祉大付は左腕の澤田投手が先発。日本福祉大付の澤田投手は初回を3者凡退で退け、上々の滑り出しだった。しかし、そこを大府は巧みに攻略した。

2回、先頭の4番・大野が右中間二塁打して、これがチーム初安打。バントで三塁へ進むと、6番・當山のスクイズで先制と手堅い形で先取点を奪った。

さらに3回には四球、バントと戸嶋の幸運な二塁打で1死二、三塁として、続く有瀧が中越え二塁打を放ち2者をかえして追加点。なおも、2死となっても相手の飛球落球に連打が続いてこの回4点を奪った。これで、試合の主導権は完全に大府が握る形になった。

大府は4回にも四球の走者を暴投とバント安打で進めて無死一、三塁。9番・蛭川投手自身の右前安打と、バントと犠飛で、さらに2点を追加した。これで7対0と思わぬ得点差となってしまった。

このリードで、大府の先発、背番号10の蛭川投手は、持ち味ともいえる制球の良さを生かして、力で牛耳るというよりは、上手にコーナーを突いて、安打などで走者は出しても、その後を抑えていく丁寧な投球。そして6回からは前チームからの経験も豊富な長野投手が登板。夏の愛工大名電との試合では、最後のマウンドにいたというが、そこで悔しい思いをした経験も生かしながら6回、7回を抑えた。5人はピシャリと抑えたが、あと1人というところで代打・清田が左越え二塁打。さらに、代打・大木が右前安打を放って、二塁走者が本塁を狙ったが、好返球で本塁タッチアウト。そのまま7点差で7回コールドゲームが成立した。

大府は、チームの雰囲気もいい感じで、選手たちが自信を持ってプレーしているという印象だ。それは、夏の大会で愛工大名電を土壇場まで追い詰めたという戦いができたことで、「本気で取り組んでいけば、私学4強にも負けていない」という思いで、それぞれがプレーしていることが大きい。中嶋勇喜監督も、「3年生たちのいい置き土産です。それに加えて、この代の子たちはそれぞれが自分たちの色を出せる方で、それがいい方に作用している感じです」と、いい感触を得ているようだ。さらには、「1年生にも有望な選手が多くいるので、伸び伸びとやらせてあげるためにも、まずは知多地区を1位で通過していきたいですね」という思いである。

一方、日本福祉大付の山本監督は、「情けない試合でしたね。ミスが出て、それを修正しきれないうちに打たれてしまい、攻撃でも工夫がなく、一番良くない形の負け方でした。出直しです」と、完敗を認めていた。

 

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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