都立日野台vs都立武蔵丘
都立日野台の左腕の佐野、7回を奪三振8の零封でコールド勝ち
都立日野台・佐野太洋
<春季都大会1次予選:都立日野台7ー0都立武蔵丘(7回コールド)>◇12日◇1回戦◇明大中野八王子グラウンド
都立校同士の一戦は、都立日野台の佐野太洋投手の好投が光る試合だった。
佐野は左腕。秋より球が速くなった感じがする。「球速はそれほど変わらないと思いますが、球威はアップしたと思います」と、畠中陽一監督は言う。いわゆる「球が来ている」という感覚だ。「肘の高さとか、グラブの使い方などを意識しています」と佐野は言う。
さらにこの日の佐野の投球で光っていたのがスクリューボールだ。腕の振りと反対方向に曲がる変化球で都立武蔵丘打線を翻弄する。途中ペースは落ちたが4回までに7奪三振の快投。結局7回で8奪三振を記録した。
その一方で都立武蔵丘の三振のほとんどがスイングアウト。相手投手に臆することなく積極的に振りに行く姿勢は好感が持てた。
秋はやや精彩を欠いた都立日野台の打線も、この試合では力を発揮。1回裏に都立武蔵丘の先発、左腕の奥山柚希投手の立ち上がりの乱れを突いて、四球に暴投、犠打、犠飛で1点を先制すると、3回裏は9番・伊藤煌馬の本塁打、4回裏は4番・佐藤悠真の中前安打に、6番・近藤知紀の二塁打で1点を追加した後、7番・矢ケ崎遥の2ランで試合を有利に進め、5回、6回にも1点ずつ追加して7点差をつけた。
都立武蔵丘はリードされても積極的な姿勢を失わず攻め、5回表には小川瑠悟が二塁打を打つなど反撃したが、ホームは遠かった。
都立武蔵丘の鈴木秀志監督は、「完敗です。でも一生懸命やりました」と語る。新2年生と3年生で部員は11人。試合は一方的な展開になったが、都立武蔵丘の選手たちのノビノビと戦う姿勢が伝わった分、試合は引き締まった。
都立日野台は都大会出場をかけて、次は穎明館と対戦する。秋よりは確実に力をつけているだけに、今後の戦いが楽しみだ。
(取材=大島 裕史)