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2022年ドラフト候補 大学生リスト

2022.06.06

2022年ドラフト候補 大学生リスト | 高校野球ドットコム

【北東北大学野球連盟】

金村 尚真投手(岡山学芸館-富士大)
 勝つための要素を全てそろえている安定感抜群の右腕。右足に体重を乗せ、そのまま真っすぐ踏み出すオーソドックスなフォームから正確無比にコントロールされたボールを投じる。コンパクトなテイクバックながら最速149キロを誇り、打者にとってタイミングが取りづらい厄介なタイプ。緩急をつけるスローカーブ、カウントを稼ぐカットボールをコーナーに投げることができ、プロで即戦力となるイメージが浮かぶ投手だ。全体的にまとまっている感はあるので、更に最終学年で凄みを身に着けてプロに進みたい。

【関甲新大学野球連盟】

加藤 泰靖投手(志学館-上武大)
 身長182センチだが、マウンドに立つ姿はそれよりも大きく見える。とにかく存在感が抜群な上武大学のエース投手だ。オーソドックスなフォームながら、非常に角度を感じるボールを投げることができ、最速153キロとスピードも申し分ない。奪三振率が高いことも特徴で、2022年春季シーズンも2試合に投げて14投球回で19奪三振と結果を出している(※4月22日時点)。スライダーやカットボールに加えフォークボールも持ち球に持っており、先発はもちろん抑えとしての起用も面白いかもしれない。

曽谷 龍平投手(明桜-白鷗大)
 2021年秋のリーグで最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の投手3冠に輝いたMax151キロ左腕。全身の力をうまく指先に伝えられている印象で、ソフトな力感のフォームから強力なストレートを投げられる投手だ。ややスリークウォーター気味の独特な腕の角度を武器とし、特に左打者のアウトコースへのボールは絶品。上のレベルで下半身を強化すれば、更なる最強左腕に近づく予感が大いに漂う。

【東京六大学野球連盟】

蛭間 拓哉外野手(浦和学院-早稲田大)
 打者としてのスケール感は今期ドラフト候補のなかでトップクラスの左バッター。内外角を全方向にスタンドまで運べる技術を持っており、特に外角のボールに対してバットを振り切って反対方向へスタンドインさせる姿は圧巻の一言だ。パワーだけではない確かなテクニックで、昨シーズンまで積み重ねた10本の通算本塁打数をどこまで伸ばすか興味は尽きない。副主将としてチームを引っ張るなど影響力も高く、今年の東京六大学の顔と言っても過言ではないだろう。

中川 卓也内野手(大阪桐蔭-早稲田大)
 所属したチームを“常勝チーム”としてまとめあげる「ザ・キャプテン」。それが中川 卓也という選手の真骨頂だ。最終学年となった今季、当然のように早稲田大学の背番号10を背負い、華のポジションであるセカンドに挑む。昨年秋のシーズンは10試合で12安打を放ち、打率3割3分3厘と飛躍を遂げた。加えて11四死球を選ぶなど選球眼も向上。犠打や進塁打など、状況に応じた打撃をもともと得意としており、更にチームにとって欠くことのできない選手になったと言えるだろう。有終の美を飾れるかに注目が集まる。

齊藤 大輝内野手(横浜-法政大)
 “和製ミゲル・カブレラ”と呼びたくなるような右の強打者。コンタクト能力と対応力は群を抜いており、打球が自然とヒットゾーンへ飛んでいく。猛者が集う東京六大学野球で、2021年の春・秋連続でベストナインを獲得した実績が全てを物語っており、春は3本塁打を含む13安打で打率3割4分2厘。秋は警戒が強まるなかで14安打し打率も4割3分8厘と手が付けられなかった。将来的には打率も長打も高いレベルの成績を継続して残せる選手に成長していってほしい。その第一歩として六大学最強の打者の地位を固めたい!

大阪桐蔭山田 健太内野手(大阪桐蔭-立教大)
 三拍子そろったプレーと甘いマスク。動きのすべてに華があり、一挙手一投足から目が離せない今季再注目の内野手だ。実力ももちろん折り紙つき。春夏連覇を果たした大阪桐蔭高校「最強世代」の一員として鳴り物入りで立教大学に入学し、昨シーズンまでに東京六大学現役選手最多の62安打を放っている。通算本塁打も7本と長打力を兼ね揃え、法政大学の齊藤 大輝選手とならんでアマチュアトップレベルの右打者といえるだろう。マークがさらに厳しくなる今季、通算100安打を目指すとともに圧倒的な成績を残してプロの門を叩きたい!

道原 慧外野手(駒大苫小牧-立教大)
 50メートル5秒9という爆発的なスピードを持つ今季注目の外野手。3年時の2021年春のシーズンにレギュラーを掴むと、その初戦にランニングホームラン。最終的にチームトップの5盗塁を記録し、一気に六大学を代表するリードオフマンに成長した。その後大学日本代表候補強化合宿に初参加するなど、172センチという小柄な体格ながら野球センスを高く評価されている。ポイントゲッターとなる山田 健太の前で出塁する回数が増えれば、2017年の春以来となる栄冠が立教大学に近づくことは間違いない。

荘司 康誠投手(新潟明訓―立教大)
 188センチ90キロという均整のとれた体格を活かし、高い角度をつけた投球を売りとする本格派右腕。決め球のスプリットが低めに制球されたときは高確率で空振りがとれ、2022年春季リーグの早稲田大学戦では同じくドラフト候補の蛭間 拓哉選手から三振を奪った。打撃もよく、今季すでに2本塁打と打者顔負けの飛距離を持つ。しっかりとしたアピールポイントを持った投手であるため、自軍の戦力と考えるプロ球団も多そうだ。

島田 直哉投手(龍谷大平安―立教大)
 185センチ90キロで同僚の荘司 康誠投手とほぼ同じ体格ながら、こちらはより体を大きく使ったダイナミックなフォームが持ち味。Max148キロの速球と鋭く落ちるスライダーで三振を奪える投手だ。2022年春季リーグの法政大学戦では、先発投手のアクシデントを受け3回から登板。5イニング1失点と見事にロングリリーフを果たすなど、使い勝手の良さも魅力。投球テンポもいいので、チームに流れを引き込むことができる点も魅力である。

生井 惇己投手(慶應義塾―慶應大)
 グラブを持つ右手を高く上げ、そこから重心を沈めて投球するダイナミックな左腕。Max152キロを誇るうえに上手からも横手からも投げることができ、まさに変幻自在という表現が相応しい。176センチという身長ながら、速球で押す投球スタイルで三振を量産できる本格派。加えて変化球を低めに制球する能力にも長けている。3年秋までに25試合登板を果たすなど大舞台での経験が豊富で、勝負所でのリリーフにも適性があるかもしれない。今後の進路が注目される。

下山 悠介内野手(慶應義塾―慶應大)
 広角に打球を飛ばすバットコントロールは学生野球界の中でも随一。特にランナーが一塁に居る時に一二塁間に引っ張る技術は一品で、充実期を迎える慶應義塾大学において卓越したチームバッティングで貢献する好打者だ。投手力が高い六大学において、出場機会を増やすごとに三振数を減らしていったミート力の高さに是非注目してほしい。主にサードを守る内野守備も堅実で、2022年からは主将にも抜擢されるなど、ますますチームの中心として欠かせない選手となった。ライバル早稲田大学の中川 卓也二塁手とのキャプテン対決にも負けられないところだろう。

増居 翔太投手(彦根東―慶應大)
 171センチの小柄なサウスポー。ストレートは平均140キロ前後だが、打者の手元でのキレが抜群で空振りを奪うことができる。三塁側のプレートに立ち、左右の打者のアウトコースで三振を取る投球術が特に光る。それを可能にする抜群の制球力や、タイミングを外していく技術に体格のハンデを補う工夫が感じられる。四死球も少なく、総合的にレベルの高い投手だ。2022年春季リーグも既に3勝をあげ、東京六大学リーグ通算10勝の実績は伊達ではない。勝ちを導けるピッチングに今後も注目だ。

山本 晃大外野手(浦和学院-慶應義塾大)
 大学4年時まで東京六大学で無安打ながら、名将・堀井哲也監督に「外野で3番を打って欲しい」と言わしめた左の強打者。その声に応えるかのように2022年春季リーグでは5月20日時点で43打数14安打、打率3割2分6厘と眠っていた才能が開花。とりわけ光るのが長打力で、今季すでに2ホームラン。2回戦の東京大学戦では初球の厳しいインコースのボールを、腕をたたんで見事にライトスタンドまで運んだ。それでいながら主将の下山 悠介選手と同じく、広角に打ち分けるシュアさも併せ持つ。打席内で様々な打撃を表現できる選手だ。右翼からの糸を引くような強肩にもご注目!

蓑尾 海斗捕手(日南学園―明治大)
 勝負強く、試合を決定づける働きができる選手だ。明治大学が6季ぶりの優勝を飾った試合でも、決勝右飛を放ったのは彼のバットだった。ミート力が高く三振数が少ないうえ、バットコントロールの上手さを活かして広角に打球を飛ばせるのが持ち味。優勝に貢献した2022年春季シーズンにおいて打率は2割4分1厘と低かったが、犠打5・四死球8とチームに様々な形でプラスをもたらした。打点8の成績も見事で、「常勝チームに蓑尾あり」と呼ばれる日も近いかもしれない。

村松 開人内野手(静岡―明治大)
 俊足好打の左バッターだが、しっかりと腰が入ったスイングができる強打者の側面も持っている選手だ。当て逃げのような打撃はせず、強い打球を一二塁間に放つことができる。犠打も上手く、三振することはほとんどないと言っていい。塁に出ては50メートルを5秒8で走る快速があり、相手にとっては嫌らしいことこの上ない選手だろう。下級生の宗山 塁選手が遊撃を守る機会が増え、本職の遊撃からセカンドへポジションを移した。現中日監督の立浪和義氏のように、コンバートをバネに内野手としての引き出しを増やしながらセカンドを極め、プロの舞台に飛び立ちたい。

【東都大学野球連盟】

田中 幹也内野手(東海大菅生-亜細亜大)
 166センチの小兵ながら50メートル5秒9の超快速を攻守で飛ばし、“忍者”の異名を持つ選手。セールスポイントはずば抜けた守備と足。どんな打球にも苦も無くバウンドを合わせ、様々なスローイングで正確に送球ができる。今季4月14日に行われた國學院大學戦では1試合で6盗塁を決め、リーグの1試合最多記録に並ぶ離れ業を披露した。厳しい指導と徹底したスモールベースボールで鳴らす名門・亜細亜大学で揉まれて培った野球IQを財産に、守備からチームに勢いをもたらすスタープレイヤーとしてプロで戦う姿を見たい。

森下 翔太外野手(東海大相模-中央大)
 4番が似合う男だ。名門・東海大相模高校で1年生から4番に座った実力は本物で、戦国東都の中でも打席での存在感は際立っている。今季の春季リーグでは開幕前から対戦校の警戒が強まる中、リーグトップの3本のホームランを記録。通算本塁打数を8本とし、自身2回目となるベストナインにも選出された。捉えた時の打球の角度は随一で、長距離砲としての資質にあふれている。なにより、常に4番に座ってきたなかでプレッシャーに打ち勝ってきた経験は、他の選手にない森下選手の最大の武器といえるだろう。プロでも4番の大役を担えるか、要注目だ!

片山 昂星内野手(東海大菅生―青山学院大)
 右の森下 翔太(中央大学)と並び、左の長距離打者として真っ先に名前が挙がる東都屈指のロングヒッター。無駄に力が入ることなく、下半身主導で大きなフォロースルーを描くスイングは生粋の大砲のそれだ。今春3月21に行われた駒澤大学戦で、相手サウスポーが投じた外角に逃げるスライダーを左中間に運んだ一発のように、力で運ぶプルヒッターではない。打球の角度・飛距離共に申し分なく、東都最強打者として先輩でもある吉田 正尚(オリックス・バファローズ)のような活躍を期待したい。

山田 拓也内野手(東海大相模―青山学院大)
 身長169センチの小柄な切り込み隊長。小兵の右投げ左打ちということもあり俊足好打が売りと思われがちだが、一発長打を秘める“怖い”核弾頭でもある。今季春季リーグ開幕カードの対日本大学第2戦では、先頭打者弾含む1試合2本塁打と打棒爆発。とくに1本目はインハイのストレートに力負けせず右翼スタンドに運んでおり、パンチ力は相当なものだ。セカンドの守備もうまく、昨秋リーグでは二塁手のベストナインも受賞。攻守にアグレッシブな、「何度でも見たくなる」選手だ。

(文=河嶋 宗一

[page_break:『大学生リーグ別ドラフト選手候補』]

『大学生リーグ別ドラフト選手候補』

【北東北大学野球連盟】
金村 尚真投手(岡山学芸館-富士大)

【関甲新大学野球連盟】
加藤 泰靖投手(志学館-上武大)
曽谷 龍平投手(明桜-白鷗大)

【東京六大学野球連盟】
蛭間 拓哉外野手(浦和学院-早稲田大)
中川 卓也内野手(大阪桐蔭-早稲田大)
齊藤 大輝内野手(横浜-法政大)
山田 健太内野手(大阪桐蔭-立教大)
道原 慧外野手(駒大苫小牧-立教大)
荘司 康誠投手(新潟明訓-立教大)
島田 直哉投手(龍谷大平安-立教大)
生井 惇己投手(慶應義塾-慶應大)
下山 悠介内野手(慶應義塾-慶應大)
増居 翔太投手(彦根東-慶應大)
蓑尾 海斗捕手(日南学園-明治大)
村松 開人内野手(静岡-明治大)

【東都大学野球連盟】
田中 幹也内野手(東海大菅生-亜細亜大)
森下 翔太外野手(東海大相模-中央大)
片山 昂星内野手(東海大菅生-青山学院大)
山田 拓也内野手(東海大相模-青山学院大)
福山 優希投手(八戸学院光星-駒澤大)
林 琢真内野手(東邦―駒澤大)
菊地 吏玖投手(札幌大谷-専修大)
南保 良太郎内野手(星稜-専修大)
奈良間 大己内野手(常葉菊川-立正大)
羽田野 温生投手(汎愛-東洋大)
松本 渉外野手(龍谷大平安-東洋大)

【首都大学野球連盟】
矢澤 宏太投手兼外野手(藤嶺藤沢-日本体育大)
斎藤 礼二投手(東海大相模-東海大)

【千葉県大学野球連盟】
浪川 広之外野手(創価高-城西国際大)

【神奈川大学野球連盟】
吉田 賢吾捕手(横浜商大高-桐蔭横浜大)
土井 克也捕手(唐津商-神奈川大)

【北陸大学野球連盟】
立石 健投手(大体大浪商-福井工業大)

【愛知大学野球連盟】
野口 泰司捕手(栄徳-名城大)
澤井 廉外野手(中京大中京-中京大)

【関西学生野球連盟】
石伊 雄太捕手(近大高専-近畿大)
大石 晨慈投手(近大附-近畿大)
久保 玲司投手(関大北陽-近畿大)
梶田 蓮外野手(三重-近畿大)
青地 斗舞外野手(大阪桐蔭-同志社大)
水口 創太投手(膳所-京都大)
上神 雄三内野手(佐久長聖-関西大)
定本 拓真投手(三重-関西大)
秋山 凌祐投手(愛工大名電-立命館大)

【関西六大学野球連盟】
伊原 陵人投手(智辯学園-大阪商業大)
才木 海翔北海道栄-大阪経済大)
山本 健太朗捕手(明石商-大阪経済大)

【阪神大学野球連盟】
友杉 篤輝内野手(立正大淞南-天理大)

【近畿学生野球連盟】
藤原 涼太投手(寝屋川-神戸大)

【京滋大学野球連盟】
木村 光投手(奈良大附-佛教大)

【福岡六大学野球連盟】
渡辺 翔太投手(北九州-九州産業大)
荒木 雅玖投手(海星-九州産業大)

【九州地区大学野球連盟】
仲地 礼亜投手(嘉手納-沖縄大)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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