【小関順二のドラフト指名予想】オリックス・バファローズ編 「最もチームが必要とする補強ポイントは投手だ」
オリックス・バファローズ 今季戦績
140試合 63勝 76敗 勝率.453 パ・リーグ4位(10月4日現在)
最もチームが必要とする補強ポイントは投手だ
吉田 正尚選手(オリックス・バファローズ)
今年のチーム成績はリーグ4位とパッとしないが、投打とも人材が揃ってきた。打撃陣では8月6日に組んだスターティングメンバーが忘れられない。1番T-岡田(左翼手)、2番吉田 正尚(DH)、3番マレーロ(一塁手)、4番ロメロ(右翼手)、5番小谷野 栄一(三塁手)、6番伊藤 光(捕手)、7番武田 健吾(中堅手)、8番安達 了一(遊撃手)、9番西野 真弘(二塁手)という打順だ。
出塁したらバントや進塁打で送る、という発想から離れた布陣で、そういう攻撃野球を展開できるメンバーが揃ったのだと思い知らされた。彼ら以外でも駿太、若月 健矢、大城 滉二、小島 脩平、宗佑磨にベテラン中島 宏之がいて、年齢的なバランスも取れている。
投手陣は今季、西 勇輝が5勝6敗と低迷したが、来季28歳は老け込む年齢でなく巻き返しは十分期待できる。金子 千尋との2枚看板が復活すれば今季活躍した山岡 泰輔にディクソンを加えた先発4本柱が形成でき、吉田 一将、松葉 貴大、山﨑 福也、山本由伸も台頭する兆しを見せ、徐々に1シーズン戦える陣容が形成されつつある。
問題は平野 佳寿のFA移籍だろう。絶対的なストレートとフォークボールで守護神として君臨してきた平野に代わるのは今季新人として6勝、25ホールドを挙げた黒木 優太だが、防御率4.22が示すように安定感で平野に及ばない。東明 大貴、小林 慶祐、金田 和之、近藤大亮たちに、かつて勝利の方程式を形成した佐藤 達也、塚原 頌平、比嘉 幹貴を交えた総合力で戦い抜くしかない。
以上が大まかなオリックスの投打の陣容だが、最もチームが必要とする補強ポイントはというと投手だろう。先発もリリーフもソフトバンクにくらべると2枚も3枚も足りない。清宮家との面談に参加して育成方針などをアピールしたようだが、足りないポジションは投手以外考えられない。
オリックス投手陣の長年の課題を解決する力を持つ田嶋
1位入札候補、田嶋 大樹(JR東日本)には広島、ヤクルトも参戦する可能性があるが、広島は地元広島広陵高校の超高校級キャッチャー、中村 奨成に行く可能性があり、ヤクルトがマスコミの予想通り清宮に入札すれば単独指名で獲得できるかもしれない。
田嶋はオリックス投手陣の長年の課題、左腕不足を解消する底力を秘めている。サイドに近いスリークォーターから150キロ前後のストレート、そのストレートと同じ腕の振りから投げ分けるカットボールのキレが鋭く、日本選手権の関東代表決定戦では9回を投げSUBARU打線を3安打、1失点に抑え、チームを大舞台に導いている。
2位以下も投手が主力になりそう、というのも10月3日現在、退団が決まっている6人(育成3人含む)のうち投手が4人いるからだ。オリックスの伝統は大学生、社会人の指名なので、リリーフタイプに絞れば西村 天裕(NTT東日本)、高橋 礼(専修大)、谷川 昌希(九州三菱自働車)の顔が浮かんでくる。
また高校卒の新人、山本 由伸(4位)が8月31日のロッテ戦で初勝利を挙げ、高校生を指名しやすい環境が出来上がりつつある。2位以下を想定すれば本田 仁海(星槎国際湘南)、清水 達也(花咲徳栄)、田中 瑛斗(柳ヶ浦)、山本 拓実(市立西宮)たちも指名の対象に入ってきそうだ。オリックスの投手は金子、山岡 泰輔、山本 由伸もそうだが、スラッとした細身の体形が多い。そういうスカウトの好みも考え併せれば本田、田中瑛がオリックスタイプのような気もする。
(文・小関 順二)
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