高校日本代表の一次候補合宿取材は面白い!佐々木朗希の伝説の「163キロ」など若きスター選手の原点が見える!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.14』】
大船戸時代の佐々木朗希
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です!
センバツが終わり、4月4日から6日まで開催された高校日本代表一次候補の強化合宿の取材を行いました。
2019年からスタートしたこの合宿はコロナ禍の影響で20年〜22年は中止になりましたが、23年から再開。今年で3回目の開催となりました。
センバツで活躍した選手、9地区の高野連から推薦を受けた選手たちが代表候補となり、合宿に参加します。現在もプロで活躍する若きスターたちも経験しており、年々、注目度が高くなっています。私自身、楽しみにしているイベントの1つです。
37人中、25人がNPBでプレーするほど豪華だった初代のメンバーたち!
この合宿が始まったきっかけは、2015年の世界大会準優勝、2017年の世界大会、2018年のアジア大会ではともに3位で終わり、なかなか世界一になれない現状がありました。日本高野連は2018年秋から国際大会対策プロジェクト会議を重ねてきました。
その中で『国際大会対策研修合宿』を開催する案が出て採用されることになりました。
第1回(2019年)はセンバツ終了後の4月5日から3日間。春季大会と日程が重ならない選手が可能な限り参加して、国際大会へ向けた心構えやルール、マナー、木製バット対応などを研修することが決まりました。また選手同士が刺激し合い、切磋琢磨する関係作りも研修合宿の目的に入っています。
第1回のメンバーはその後、プロ野球で活躍する選手が多くいました。千葉ロッテの165キロ右腕・佐々木 朗希投手(大船渡)、オリックスの左腕エース・宮城 大弥投手(興南)、オリックスのショート・紅林 弘太郎内野手(駿河総合)、復活を目指すヤクルトの奥川 恭伸投手(星稜)など現在、NPBでプレーする選手が37人中、25人もいる超豪華なメンバーでした。
注目の紅白戦では、佐々木投手がスカウトのスピードガンで163キロをマーク。この投球に、各紙のスポーツ記者がスカウトに囲み取材という形でコメントをもらっていたのを覚えています。私も登板投手たちの球速を測っており、主な投手の球速がこちらです。
佐々木 朗希(大船渡) 154キロ
西 純矢(創志学園) 146キロ
及川 雅貴(横浜) 146キロ
奥川 恭伸(星稜) 142キロ
宮城 大弥(興南) 142キロ
特に佐々木投手の平均球速は150.85キロとプロの一流投手並み。ネット裏で見た時の球筋はまるで光線のように感じました。佐々木投手を伝説にした投球だったと思います。
荒削りでもスカウト受けする選手だった紅林弘太郎
ドラフト候補たちの力量をいろんな選手を比較しながら見られるこの合宿はとても有意義で、野手は木製バットを使うので、技術がわかりやすい。この年はオリックスの紅林選手が印象深いです。
当時は甲子園出場もなく、全国的には無名でした。打撃ではフリー打撃で、最初は当てることに苦労したものの、慣れてくると長打性の打球をどんどん飛ばし、紅白戦では奥川投手から二塁打を打っています。守備に関しては、肩は強かったものの荒削りで、捕球するまでのスピード、捕球の確実性はまだまだ。ヤクルト・武岡 龍世内野手(八戸学院光星)など他のショートのほうが洗練されていました。
その年のドラフトで紅林選手はオリックス2位指名。技術的には粗くても化ける可能性のある大型遊撃手のほうがスカウトから評価されやすいとリアルに実感しました。
満足度が高く、次回以降もぜひ取材したいと思いました。
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